連泊

金曜日の午後5時までに、何が何でも終わらせなくてはいけない仕事があって、
木曜日の夜は会社で徹夜。
でもお風呂に入りたかったので、朝6時に近所の温泉施設に行って、
1時間ほど仮眠をとり、お風呂に入り、朝食をとって、
朝9時に出社。


午後2時。
同僚と「あと3時間、がんばって終わらせよう」と声をかけあってまもなく、
ものすごい揺れがきた。
わたしの職場のビルはかなり古いので、
瞬間的にニュージーランド地震の映像が頭に浮かび、
席の後方の階段を駆け下りる音が聞こえたので、
「ビルがつぶれるかも」と思い、外に出た。
揺れがおさまり、席に戻ってみると、机の上はファイル類が散乱。
それ以上にびっくりしたのは、わたしが先ほど通過した出入り口の天井近くの壁が落ちて、
石塊が転がっていたことだ。


やがて本社のエライ人たちが来て、
二次災害の危険があるので、帰宅するか、本社のビルに移動するかしてください、との指示。
あわてて荷物をまとめて本社の会議室に移る。
夕方5時ごろには、電車が動かないことがわかり、
会社からハンバーガーが支給されて、宿泊体制に。
前日も自宅に帰っていないので、結果的に連泊になってしまった。


わさわさして集中はしなかったが、
他にすることもないので仕事をし、それなりにはかどった。
同僚がパソコンを電子黒板につなぎ、皆で大画面のニュースに見入る。
0時過ぎまで仕事をして、いい加減疲れ果てたので寝ることにした。
会議室の椅子を6つ組み合わせて簡易ベッドを作り、
コートをかけて就寝。
前日いっしょに徹夜した後輩ともども、
余震で起きることもなく朝までしっかり寝た。


朝、電車が動いているのを確認し、
飯田橋の会社で泊まったという同居人と連絡をとって、帰宅の途に。
とりあえず飯田橋まで歩いて同居人と落ち合い、朝食をとって、のんびり帰宅。
自宅の本たちは、多少崩れていたものの、意外に被害は少なかった。
土曜日は出勤予定だったのだけれど、
こんな事態なのでとりあえず自宅待機。
土曜日、日曜日とも、ずっと自宅でテレビを見ていた。


月曜日。
アルバイトの人たちから続々と問い合わせがあり、
お休みしてください、と連絡。
9時近くになってやっと、会社から自宅待機してよい、というメールが。
テレビで流れている国をあげての緊急事態と、
校了目前のゲラの進行。
何をどう優先するべきなのか、自宅待機なんかしていてだいじょうぶなのか、
自分の判断に不安や迷いがあって、なんだか落ち着かない。
そもそも、就業扱いの自宅待機、って言ってるのに、
ブログなんて書いてちゃいけないのかもしれない。
でも、今日はゲラを持ち帰っていないので、
仕事をしようにもやることがないのだ。


明日以降はどうなるのだろう。
でも、被災地の方たちのことを思えば、東京での不安なんて、ほんとにたいしたことじゃないね。