2023-01-01から1年間の記事一覧

怒濤の2023年〜とにかく続けることが大事

怒濤の2023年がまもなく終わる。『オリンピア』刊行が決まってからの日々があまりに濃厚だったので、なんとなく今年は『オリンピア』一色だったような気分になっているけれど、手帳を繰ってみると実際は1月は指導書一色で、2月からは河出の〈14歳の世渡り術…

本は1冊ずつ売れていく

眠れないのでブログを書くことにした。一昨日、12月5日(月)は弊社刊行第一弾、『オリンピア』の発売日だった。会社設立から『オリンピア』刊行までのことをブログに書いてみる、という当初目標は一応終わったので、これからは従来どおりの「北烏山だより」…

何事も直感で勝負? 流通を決める

まただいぶ間があいてしまった。いよいよ最大の難関、流通について書く。中規模の版元の編集者だったわたしたちは、本ができあがってから先、印刷(または製本所)から倉庫へ、そこから取次へ、書店へ、といった流れについて、多少の知識はあるものの、ほと…

信頼関係をベースに——印刷会社を決める

少し日があいてしまったけれど、印刷会社のことを書く。先日書いたように、わたしたちの前職はたまたまグループ会社の印刷会社があったので、ほかの印刷会社のことをあまり知らない。皆さんが必ずとる、と言っている「あいみつ」というやつも、ほとんどとっ…

『オリンピア』見本出来!

次回は印刷会社の話題を、と書いたけれども、今日はとっても大事なことがあったので、予定変更してそのことを書く。大事なことというのは…………見本出来〜!!今日の午前中に仕事場に見本が届くということだったので、朝から仕事場に行き、少し片付けて見本を…

どこへでも持ち歩きたい、本好きのための本——装幀の話

本の造本と装釘は、内容と同じくらい重要だ。実は編集の仕事をはじめる前は、本は中身がちゃんと読めれば表紙とかまあどうでもいいのでは?と思っていた。わたし美術は苦手だし、センスないし、みたいな感じ。でも実は、どうでもよくない。というか、どうで…

版権交渉——じりじりと待つこと二ヶ月。

次に挑むのは、版権交渉、つまり原著の翻訳権取得である。通常の翻訳出版の場合、版権を取得してから翻訳者をさがし、翻訳を依頼して訳出がスタートするのだけれど、『オリンピア』の場合はちょっと事情が違っていた。なにしろ越前さんが原著と出会ったのは2…

ISBN出版者コードの取得。思い切って、37000円コースだ!

翻訳家の越前敏弥さんからメールの返事が来たのは、わたしがおそるおそるメールを送ってからわずか1時間後のことだった。越前さんと『オリンピア』とわたしの出会いの物語は、12月、1月に企画されているイベントのためにとっておくことにして、ここでは編集…

個人事業主から株式会社設立へ。複合機と税理士は必須。

2021年の夏、会社の早期退職制度が発表になり、私はあまり迷うことなく応募を決めた。退職日直前まで普通に仕事をして、コロナ禍だったこともありお別れ会などもなく、淡々と20年近くつとめた会社を去った。その時点では、フリーで編集の仕事ができたらいい…

『憶えている』を読んだから

岡田林太郎『憶えている 40代でがんになったひとり出版社の1908日』(コトニ社)を読んだ。岡田さんはこの本(とたくさんの編集本)を遺して、今年7月に亡くなった。わたしは最愛の妹を30代でがんで亡くしている。岡田さんがひとり出版社を立ち上げた3年後、…

会社名のこと

昨年の6月1日に、同居人と共同出資して北烏山編集室という株式会社を設立した。社名を軽く考えていたわけではないけれど、あまり凝った洒落た名前にするのは柄に合わない気がして、シンプルに事務所(=自宅)の所在地に「編集室」をくっつけた。すっかり休…

10年のあいだに

ふと思い出して、2013年の3月のブログを読んだ。「この3月で、苦楽をともにしてきた非常勤の仲間が一斉に職場を去った」とある。そうか、あの年か。あれからもう10年経ったのか。いや、まだ10年? あの時、会社の人事施策で、長期契約の非正規雇用者が能力や…

ふたり出版社をつくる

ほぼ1年がかりでやっていた前職の請負仕事が終わり、しばらくぼんやりしていた。退職してからずっと途切れることなく、前職のふたつの編集部から仕事を請け負っていた。どちらも苦楽をともにした仲間からの依頼だし、企画段階で多少なりともかかわった仕事だ…