ローラ・アシュレイを着てディストピア小説を読む

この1週間ほどの間に、この6月までかかわっていたプロジェクト関係の大きなイベントが二つあり、
それがなんとか無事に終わって、いよいよ本格的に、新プロジェクトに集中できそうだ。
今日は午前中どうしても自宅にいなくてはならない用事があったため、
思い切って日曜日のイベントの代休をとり、1日休んだ。
とはいっても、日中はなんだかんだと仕事がらみのメールを打ったり、
エクセルで対照表を作成したりと、どうも休んでいることにならない。
ほんとうは夕方からホットヨガに行くつもりだったのだけれど、
昨日から軽いぎっくり腰みたいになって、腰が痛いので、大事をとってホットヨガはやめにした。
うーん、でも、お出かけしないと休み気分にならないわ。


そこで思いついたのが、先週、衝動買いした、ローラ・アシュレイのワンピースのこと。
ワンピースといっても、夏物のサンドレスのようなものだから、ただでさえ値段は安い。
それがセールで30%オフだったので、つい買ってしまったのだ。
小花プリントのふわっとしたワンピースだから、会社に着ていくのはちょっと気がひける。
これを着て千歳烏山まで行って、美味しいパスタでも食べて帰ってこよう!


家から千歳烏山駅まで、ぶらぶら歩いて20分〜30分。
夕方になって涼しくなってきたので、軽い運動もかねて寺町を歩く。
沖縄で買ったミンサー柄のバッグの中には、オーウェル『1984年』が。
烏山でお気に入りのパスタやさん「キッチンスズキ」に入って、
一人女性客専用の特別セットを頼む。
今日のスペシャルパスタは、枝豆とからすみのカッペリーニ
イチジクのパン、グリーンサラダともども、大満足のお味。
食事を待っている間や、食後のコーヒーを飲みながら、
オーウェル『1984年』を読む。
うーん、おもしろい。ちょっと「ちゃっちい」感じがしないでもないけど、おもしろいのは間違いない。
読みながら、「何かに似てるなあ」と思ってたんだけど、
何のことはない、同じオーウェルの『動物農場』だった。
こちらはペーパーバックで読んだのだけれど、そのときも「おもしろいけど、ちょっとちゃっちい」と思ったような気がする。


この「ちゃっちい」という感じは、何なんだろうなあ。
SFやファンタジーの場合、どれほどテーマが深遠でも、なんとなく偽物くさいというか、ゲームっぽさみたいなのが、
つきまとうような気がする。
SFやファンタジーを好きな人というのは、こういうゲームっぽさみたいなのをこよなく愛しているんだろうな、と思う。
わたしはSFやファンタジーを嫌いなわけではないし、
先日のイベントでお会いした大好きな作家さん2人は、2人ともファンタジックな世界を描く名手だ。
でも、大人向けのファンタジーとなると、小説だけじゃなくて映画も、「……」となってしまうのだ。
たとえば、指輪物語。たとえば、ゲド戦記。たとえば、宮崎映画。
今この国で、村上春樹宮崎駿が苦手、なんて言ったら、
文化人から総スカンをくいそうだけど。


そういえば今日、烏山の本屋で、大塚英志の『物語論で読む村上春樹宮崎駿』を、ちょこっとだけ立ち読みした。

噂のハルキ本を読んでからじゃないとな、と思って買うのは控えたんだけど、
ちょこっとだけ立ち読みした感じでは、なかなかおもしろそうだ。
わたしの「春樹・駿」への苦手意識がどこからくるのか、すっきりと読み解いてくれるかも。


真っ黒い表紙の『1984年』と、ローラ・アシュレイの花柄ワンピース。
どちらも、本家本元は、ほぼ同じ時代のロンドン生まれです。