皆既日食の日にスタート
昨日は多くの人にとって「皆既日食」の日だったと思うけれど、
わたしにとっては新たなプロジェクト始動の記念すべき日だった。
あまり詳しいことは書けないけれど、
3年前の配置換え以来、いろんなつらいことがあって、
でもそんなことをすべて吹き飛ばしてくれるような、新プロジェクトのスタートだった。
この会社で、この部にいるからこそ、このプロジェクトに関わることができるのだと思うと、
今までイライラしていたことも、小さい小さい、という気持ちになって、
これからしばらくは、本作りをほんとうに一生懸命、鈍くさいくらいに一生懸命、やっていこうと思う。
午前中は前から手がけている担当の仕事(これも自分にとってはとても大きな意味を持っている仕事だ)の関係で、
あこがれの画家さんのアトリエを訪問。
超のつくような売れっ子の画家さんなのに、とても気さくで、
でも、仕事についてのお話をするときの目は、やっぱりプロの目で、
こんな人と直接話をできるなんて、ちょっと考えられないような幸運なのだ。
というわけで、昨日は朝から晩まで、終始はしゃぎ気味、テンションは上がりっぱなし、の1日だった。
ちなみに、午前中に訪問した画家さんも、新プロジェクトの中心になる先生も、
はっきりいって、めちゃくちゃカッコイイのだ。
わたしの好みのタイプ、というよりは、はっきりと「だれが見てもいいオトコ」。
知的で、ダンディーで、ちょっとセクシー。
ぐわわわわーん。これでテンションが上がらないはずはないのだ。
今日明日は職場のクミアイの大きな会合。
なんだかんだと抵抗はこころみたのだけれど、抵抗むなしく、
今年は職場のクミアイでちょっとがんばることになってしまった。
信任投票みたいな形ばかりの「選挙」をするのだけれど、
これが人によって、ビミョーに得票数が違うのだ。
そしてわたしは、クミアイの仕事をするのは入社以来2度目なのだけれど、
どうも、あまり人気がないようなのだ。
1度目は入社まもなかったこともあり、わたしのことを知らない人も多いのかな、
誤解している人もいるのかな、と思って自分をなぐさめていたのだけれど、
今年はもう、そんな言い訳もきかない。
会社の中に数名でも、わたしをピックアップして「あいつは信任しない」と思っている人がいるんだな、と思うと、
ちょっぴりクヨクヨしてしまう。
わたしのどこがそんなに気に入らないのかな。
わたしはその人に何をしたのかな。などと。
でもまあ、そんなことを気にしても仕方がない。
ちょっとだけクヨクヨをひきずって、早めに退社。
吉祥寺ロンロンのおにぎりやさんでおにぎりセットを食べ(これが、ものすごくおいしい!)、
スターバックスでコーヒーを飲みながら読書。
- 作者: 辛淑玉,野中広務
- 出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング
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不思議な本だった。
以前、野中さんの本を読んだときのような衝撃というか、胸をつかれるような感じはない。
野中さんと辛さんの対談というより、
野中さんの話を辛さんがまとめて、辛さんなりの視点の野中像を描き出し、
それにからめながら戦後の日本の差別の歴史や現状についての、辛さんの「持論」を展開する、
という本なのだ。だから、シンプルなタイトルが表しているように、
差別の問題を考えるときの入門書としては、わかりやすくて面白い。
でも、この本では、野中さんという人の本質というか、本当の姿は、見えてこないように思う。
(「ずいぶんしゃべってしまった」なんて言っているけど……)
野中さんが政治の世界に足を踏み入れる決心をするきっかけになった、ある「事件」のことが書かれている。
野中さんが大阪の鉄道局につとめていたとき、
故郷の中学の後輩の面倒を見てやっていた。
仕事も教え、食事の世話までしてやった。
ところがその後輩が、別の先輩に、
「野中さんは大阪におったら飛ぶ鳥落とす勢いだけど、地元に帰ったら部落の人だ」と言っているのを漏れ聞いてしまう。
それを聞いて衝撃を受けた野中さんは、さんざん悩んだ末に、
「……出した結論は、僕は大阪でいくら一生懸命やってたってダメなんだと。
地元には部落という位置づけで差別の対象にされる現実があるんだと。
だから自分の出自を知ってくれてるとこへ真っ直ぐ帰って、今からやり直そうと。
そこからもう一度自分の生き方を考えてみようと。」(67ページ)
このことを打ち明けた野中さんの上司は、なかなかの人物で、
「おまえが負けて、そんな帰り方をするのは俺は嫌だ。」と言って、
「言うたやつを辞めさせる」と言ってくれる。
それに対して、野中さんは「そんなことやめてくれ。親にも兄弟にも言わないんだから。」と言ったという。
辛さんが、「言わないのっていうのはなぜ?」とたずねると、
野中さんは、次のように答えるのだ。
「『野中さんは部落の人だ』と言うたばっかりにあの人はクビになった、
『怖いねえ』という、差別の再生産が生まれる。」(68ページ)
こういうのを読むと、自分が持っている正義感とか、社会に対する責任感とかが、
ものすごくちゃっちいものに思えてしまう。
そのときそのときで精一杯考えているつもりではあるのだけれど。
夜、ホットヨガ教室へ。
3回目で少し慣れてきたのだけれど、まだ、ほかの人たちとはだいぶ体の動かし方に差がある。
でも、ヨガのいいところは、「無理をしないで」「自分のペースで」「人とくらべないで」と、
先生が繰り返し言ってくれること。
わたしは若いころ、競技スポーツをばりばりやっていたせいか、
つい、無理をしてしまう傾向にあるので。
ま、じょじょに体がやわらかくなって、体重も減っていけば、
もう少しかっこよく、ポーズをとれるようになるでしょう。
『罪と罰』を読もうと思っていたんだけど、
ちょっと予定を変更して、オーウェルの『1984年』新訳版を読むことにする。
- 作者: ジョージ・オーウェル,高橋和久
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そのあと、亀山『罪と罰』。
ああ、なんてすてきな読書計画!