復活のきざし

亀山『罪と罰』に入る前に、読みかけの古典新訳文庫『椿姫』を読了。

椿姫 (光文社古典新訳文庫)

椿姫 (光文社古典新訳文庫)

初読は中学生くらいだったと思うので、
30年ぶりくらいの再読となるわけだけれど、
いやあ、きわめてわかりやすい、単純なストーリーながら、
大変、おもしろかった。


初読のときには、「恋の物語」として読んだと思う。
そしてもちろん、これはまぎれもない「恋愛小説」なのだろうけれど、
今回わたしは、アルマンとマルグリットの恋の顛末よりも、
ここに描かれた男と女の考え方の違い、みたいなところに、感心しながら読んだ。
主人公のふたりのどちらにも感情移入することはなかったから、
なおさら客観的に読めたのもかもしれない。
簡単に言えば、このふたりは見栄のはりあいをしているのだけれど、
男の見栄のはりかたと女の見栄のはりかたって、ずいぶん違っているようで、
それがはるか昔にフランス語で書かれた小説であるにも関わらず、
現代の日本にあてはめてみても、まったくもってそのとおり、という感じ。
婚活や恋愛の指南書を読むより、こういうのを読んだほうがはるかにためになるんじゃないかな。


……と言っている先から矛盾するようだけれど、
ここでも時々書いているように、わたしは案外、「ハウツーもの」が好きだ。
とくに、ベストセラーになったようなハウツー本は、読んでみるとさすがによく書けていて、
そりゃあ、小説みたいに深く心を揺さぶられるとか、何度も読み返すとかいうことはもちろんないけど、
でも、それなりに、ちょっと得した気分になったり、お利口になった気分になったりするものだ。
で、昨日、『椿姫』を読み終えて『罪と罰』にとりかかる前のつなぎとして読んだのが、この本。

頭のいい女性の伝え方・ふるまい方

頭のいい女性の伝え方・ふるまい方

本を手に取るだけで恥ずかしくなるようタイトルの本だけれど、
目次をぱらぱらっと見たところ、ふむふむ、結構、おもしろいじゃない。
先日このブログでも書いた、「女性が働きにくい職場」問題について、
解決策ってほどじゃないけど、ちょっとした発想の転換のためのアドバイスが載っている。
ひとまわり以上年下の著者のアドバイスに耳を傾けるなんて、ちょっと情けない気もするけど、
実はわたしは会社員(サラリーマン)としての経験はものすごく浅くて、
お気楽OL時代、専業主婦時代、教員時代、フリーランス時代と、
かなり自由な環境の中で働いてきたという面があり、
かっちりした日本型の組織社会の一員として、それなりの成果を期待されて働く、ということに、
あまり慣れていない、というか、ほとんどダメである、ということに、最近、気づいてしまったのだ。
(家族や同居人の、「今ごろ気づいたのか……」というため息が聞こえるようだ……)


さて、復活のきざしは、読書だけじゃない。
6月から、長くお休みをしていた着付教室にも再び通い始め、
今のところ1回も欠席することなく、まじめに通っている。
昨日は、昨年もいらっしゃった、結城紬の職人さんがいらして、実演と講義、そして即売会があった。
昨年は遅れていったために実演と講義を聴き損ね、「お買い物」だけしてしまったが、
今年は、もう結城紬を買うこともないから、実演と講義に集中すればいいわ、と、
気楽な気持ちで出かけていった……のだが……。
和服というのは洋服と同じで、春秋冬物と夏物は、当然ながら、別なのだ。
わたしが昨年買った結城紬は、春秋冬物。
そして、昨年は気づかなかったのだけれど、即売会では「夏結城」というのも、並んでいた。
夏物だから、お値段だって、春秋冬物よりだいぶお安い……。
というわけで、仕事や読書だけでなく、物欲まで復活してしまったわたしは、
藍色古典柄の「夏結城」を、購入してしまったのでありました。
8月の中旬くらいに出来上がってくるらしい。楽しみ……せっせと着なくちゃ、ね。


もうひとつ、最近がんばっているのは、そう、ダイエット。
精神状態がいいからか、体重は順調に減ってきている。
食事はお弁当も含め、なるべく手作り。
外食をするときは、野菜中心、油っこいものを控える。
間食をしない。と、この程度のものだけれど、続けることが大事。
さらに今日は、先日体験レッスンを受けた「ホットヨガ」に行ってみた。
無理をしないように注意していたので、今日は腕がつることもなく、
いい感じで汗をかいた。
こちらも、あまりがんばりすぎないで、長く続けることに重きをおくようにしよう。


というわけで、今日から亀山郁夫訳『罪と罰』に突入!