アジェンデ『精霊たちの家』読了。

数週間ぶりの休日。
数日の会社近辺宿泊を含み、連日午前様帰宅の日々の中、
文字通り「死守」という感じで、丸1日の休日を確保。
当初、菜の花でも見に、少し遠出してみようか、などと話していたけれど、
実際には午前中いっぱいは昏々と眠り続け、
お腹がすいたので近所の中華料理店に昼食に出かけ、
自転車で夕食の買い物その他をすませて帰宅。
ビデオを借りてくる元気も、バラエティー番組を見る元気すらなく、
ぼんやりと居間のソファに座っていた。


そのとき、ふと、思い出した。
わたしは先週、ものすごくおもしろい小説を読み始めたのではなかったか。
そうだ! と、ほとんど倉庫と化している北側の自分の部屋に行き、
机の上からきれいなブルーの表紙の世界文学全集の1冊、
イザベル・アジェンデ『精霊たちの家』をとりあげた。

先週、この本が届いてすぐに1章を読んで、これはおもしろいと思ったものの、
本があまりに分厚いので、電車の中で読むのは不向きと思い、そのまま机の上に放置してあったのだ。


直感的に、いまわたしが読むべき本はこれだ!と思った。
日常的な小さなできごとを綴った物語だのエッセイだのでは、
とてもいまのわたしを救うことはできないのだ。
フォークナーばりの「どうだ!」というくらいスゴイ話でないと、
月曜日からの愚かしくも哀しい日々を吹き消してはくれないのだ。


直感は、大当たり。
読み始めたら止まらない。同居人が「ごはん〜」と言い出すまで、
わき目もふらずに読み続け、
夕食作りと夕食をとるために1時間半ほど中断するも、
食後はまた黙々と読み続け、
さっき、大きな嘆息とともに、読了。
ひさびさに、すごい集中力を発揮して読んだ。


明日にそなえてもう寝なくちゃいけないので、詳しい感想は後日書くつもり。
いやもう、わたしの毎日の残業やら仕事やら職場の人間関係なんて、
小さい、小さい。
こういう物語を読めるってだけで、生きてる価値があるね、ほんとに。