イギリス小説を読もう!

マンスフィールド・パーク』はまだ途中なのだけれど、
昨日偶然見つけたブログを読んで、
ここのところのもやもやした気分が少し晴れたような気がしたので、
そのことを書いておこうと思う。


わたしは20代の後半に公立中学で国語を教えていたので、
今は国語教科書の編集なぞをやっているが、
もともと大学は英米文学科出身である。
高校卒業時は大学を卒業したら良妻賢母の道を一直線の予定(!)だったので、
大学進学の目的は「教養を身につけるため」だった。
だから、外国人講師による「英会話」とか「英作文」「LL]などの授業は苦手で、
シェイクスピア演習だの、ロマン派の詩の講義だの、「嵐が丘」原典講読だのといった、
いかにも英文科!!という感じの授業が好きだった。


大学を卒業してからは、わたしの人生はあまりにぐちゃぐちゃなので、
とても順を追って記すことなどできない。
(自分でも、あれ、これとこれってどっちが先だっけ?と思ってしまうくらいだ。)
でも、今の会社に就職するまでのぐちゃぐちゃの15年間に、
案外、大きな影響を与えているのが、大学で学んだ「英米文学」だった。
退職金をはたいてイギリスに留学したこと、
翻訳家を目指してがんばっていた日々。
集英社の「世界文学全集」の編集部でイギリス文学を担当させてもらったこと、
そして、英文学業界のことならだれよりも詳しい(ように見える)同居人の存在。


先日、某有名大学大学院の授業後のコンパに同席させてもらったとき、
学生さんと外国文学を話をしていて、
「一般の人でこんなによく知っている人はあんまりいないですよね−」と言われ(←褒めているつもりだろう)、
ほお、そうかもしれないなあ、と思った。
わたしからすれば、20代の君たちよりもたくさん本を読んでいるのは当然だろうが、という気分だが、
出版社の人、として紹介された太ったおばさんが、
翻訳もあまり出ていないような作家の名前を知っていたら、ちょっとびっくり、なのはうなづける。


昨日偶然見つけたブログというのは、
大学の英文科の先生が、自分の学生を主な読者として想定して、
イギリス文学やイギリス文化に関する本や映画などを紹介しているものなのだが、
これがとても平易でわかりやすい。
にもかかわらず、コメントの深さや鋭さは、さすが大学の先生、という感じで勉強になる。
わたしのような「一般の人」に向かって、
イギリス小説、読みましょうよ、こんなふうに読んだら、おもしろいと思いませんか?
と誘ってくれているようで、なんだかとても嬉しくなった。
そこで紹介されている本は、わたしが読んだ本とだいぶかぶっていて、
「ここで紹介した本を読んだ人はなるべくコメントをしてください」って書いてあるんだけど、
そんなことしたら大変なことになっちゃう〜というくらい、
興味・関心が重なっているのだった。
プロフィールやブログの文面から、同い年、鎌倉在住、ということがわかり、
勝手に親近感を抱いてしまった次第。


「仕事に役立つかも」と思ってはじめた文芸誌定期購読は、
「仕事には役立たない」とわかった今も続けている。
それと同じように、英米文学との関わりは今の仕事には直接は「役立たない」けれども、
「よく知っている一般の人」と言われるくらいには、
英米文学や翻訳と関わっていきたいと思う。
そしてこのブログを、拙いながらもアウトプットする場として使っていけばいいのかな、と思っている。


というわけで、4月28日、ABC六本木で開かれる、小川高義×木村政則のトークショー、行くぞ−。
http://www.aoyamabc.co.jp/event/owlcreek-and-mountdrago/
この告知を見たとき、
「小川さんの話は前に聞いたことがあって面白かったから行ってみようかな、
でも、この木村って人、知らない〜。」と思ったのだけれど、同居人に聞いたら、
「(今回の翻訳はモームだけど)イギリスの現代小説をものすごく読んでる人だよ」とのこと。
ほー。内容もおもしろそうだし、無料だし(立ち見だけど)、
連休前の読書気分を盛り上げる(?)ためにも、行ってみようっと。


それでは、これから『マンスフィールド・パーク』の読書に戻ります!