気を取り直して

今週はちょっと気分がダウン気味だったのだけれど、
なんとか気を取り直して仕事にはげみ、今日は1日読書。
赤と黒』は上巻読了。

赤と黒 (上) (光文社古典新訳文庫 Aス 1-1)

赤と黒 (上) (光文社古典新訳文庫 Aス 1-1)

当時の宗教や政治・社会状況がいまいちわかっていないので、わかりにくいというか退屈なところもあるけれど、
とにかくこの主人公があまりに強烈。
正直言ってわたしは「美貌の男」というのにほとんど興味がないのだけれど、
ジュリヤンくんはなんといっても外見ではなく、どうしようもないほど無知で愚かで粗野で、
でも野心家で傲慢で、でも繊細で小心で、うーん、ほんとうにどうしてこんなすごいキャラクターが生まれたんだろう。
フランス文学の偉大さか。


ただ、野崎さんも言っていたけれども、この作品はやっぱり古い印象をぬぐえないので、
こなれた日本語になっていると逆に不自然な感じがしてしまう。
19世紀パリのサロンでの会話が、ものすごく今風だったりすると、ちょっと違和感があったり。
でも会話の内容は結構下世話というか、品がなかったりするので、やっぱりそれっぽく訳さなくちゃいけないだろうし、
難しいところだろうなあと思った。


今ちょっと先走って野崎さんの「解説」をちらっと見てみたら、「ですます調」で書いていた。
あ〜これ読むの楽しみだなあ。
さっきも書いたように、貧弱なわたしの知識では、だれかに解説でもしてもらわないと、
この作品をちゃんと理解するのはむずかしそうなので。
(しかも、その「だれか」が、野崎さんなのだから!)


野崎さんといえば、今月20日(日)に青山ブックセンターで、
野崎歓さん、小野正嗣さん、田尻芳樹さん、山田広昭さん、というメンバーで、
「外国文学研究者はいま何を考えているのか」というタイトルのディスカッションがある。
あんまり高級な話だとついていけないかもしれないけれど、とりあえず申し込んでみた。
すみっこでじっとおとなしく聴いていよう……。
http://www.aoyamabc.co.jp/10/10_200801/_08120.html


赤と黒』でもたついているうちに、古典新訳文庫がまた2冊出てしまった。
とりあえず、購入。
さらに昨日、宅急便の当日便で河出の世界文学全集の第2巻、バルガス=リョサ『楽園への道』が届いた。
オレンジ色のきれいな表紙。第一巻のブルーの表紙と並べてながめる。ああ、いつ読めるのかなあ……。
そういえば、第一回の配本のとき、「せっかく予約したのに店頭に並んでから3日後くらいに届いてがっかりした」と書いたのだけれど、
まさかわたしのブログを読んだわけでもないだろうが、bk1は今回、宅急便の当日便で届けてくれた。エライ。こうでなくちゃ、ね。


今年は早起きをはじめたり、残業禁止にしたりしたので、家で過ごす時間が増えた。
テレビもステレオもない北側の部屋で音楽を聴きたいと思って、iTune sotre というのを使ってみた。
少し前にピアノ曲集みたいなのを買ってみたところ、なかなか快適なので、
今日は評判になっているという徳永英明の「Vocalist」を購入。いいなあ。すかさず「Vocalist3」も購入。
今、「3」を聴きながら書いているけど、もう、涙でそうだ。きっと「Vocalist2」も買ってしまうにちがいない……。