のだめと西表島にはばまれて

せっかく今日から文化活動に励もうと思ったのに、
同居人が「のだめカンタービレ」のビデオを観よう観ようというから、
「ええっ……ぶちぶち……」と思いながら観はじめたら、
これがものすごくおもしろくて、日中はほとんど、テレビの前に坐りっぱなしだった。
漫画が原作らしいけれども、脚本が実によくできている。
前にテレビで1回だけ観たときはどたばたぶりが鼻について、
あまりいい印象がなかったのだけれど、
今回あらためて観て、うーん、音楽ってずるいよなあ。
こんなふうに感動的に曲を流されたら、感動するしかしょうがないじゃないかあ。
じつはわたしは見かけによらず、3歳から15歳までピアノを習っていて、
ベートーベンのソナタが弾けるくらいのところまでがんばったのだ。
もう30年近く弾いていないからいまや弾けるはずはないのだけれど、
このビデオ観たら、またピアノ弾きたいなあなどと思ってしまった。
(もちろん、今の家にはピアノはありません……)


なんと影響されやすいわたし。
で、実家に帰ってすっかり「海外旅行」と「投資」で頭がいっぱいになったわたしは、
午前中に吉祥寺まで出かけて、旅行のパンフレットを集め、証券会社の窓口に行ってきたのだった。
「のだめ」のビデオが尽きたあと、旅行パンフレットをながめて至福のひととき。
西表島に行きたい、行きたい、行きたいと主張して、ついに腰の重い同居人を説得。
そうなると「文化活動」どころではなく、ネットでツアーやホテルを調べて、あっと気づくともう1時を過ぎていた。


のだめカンタービレ」は、漫画もドラマも大ヒットしたと聞いた。
今回、わたしが申し込むつもりの「ANAスカイホリデー 感動案内人プラン 神秘なる秘境西表島を行く4日」は、
旅行業界の賞をとった企画らしい。
「売れる本がいい本だ」というような言説をきくと、それは違うだろう、と反論したくなるけれども、
自分の専門分野以外のところで、自分がいいなあと思った企画が多くの人の支持を得ているのをみると、
やっぱり「売れる」ものはどこか、他にはないよさとか、文句なしにすぐれたところがあるのだろう。
「のだめ」にしても「感動案内人」にしても、企画そのものの強さ、インパクトというよりも、
細部にまで行き届いた遊び心、配慮、受け手の要望、希望、夢をがっちりとつかんだ丁寧な企画力によるものと思う。


おおっと、せっかくのお休みなのに、頭のどこかに仕事のことがぁ……ぶんぶんぶん(←ふりはらっている音です)。
今日届いた目上の方からの2通の年賀状、1通には「教科書の編集の仕事をエンジョイしてください」と、
もう1通には「翻訳の仕事も続けてください」と書いてあった。
お二人ともいまは直接仕事の関係のない、いわば「恩師」のような立場の方々だ。うーん。


年末年始に必ずといっていいほど風邪をひく同居人が、今年は順調だな、と思っていたら、
やはり今日になって熱を出した。
明日あさっての2日間は、家で「のだめ」の残りを観たり、家事にいそしんだりすることになりそう。
休み中に何としても『赤と黒』を読み終えるぞお〜。
(ちなみにジュリヤンくんは今、神学校で悪戦苦闘中。もう少しで上巻を読み終わる。)