夢の読書三昧
生まれてはじめて、仕事から完全に離れた黄金週間の幕開け。
「今年は休める人はたっぷりと休むように」と言われ、思いきって9日まで休みをとった。
28日の土曜日は研究会があったのだけれど、29日から9日までの10連休。
突然のふってわいたような休日に、どうやって過ごしていいかわからない。
とりあえず何日か帰省する以外は、旅行の予定もなく、本を読みたい放題の毎日。
職場の先輩に、「何かこれを読もう、とか決めてる本ある?」と聞かれたので、
「たまっている古典新訳文庫を……」と答えた。
この休みで一気に「カラマーゾフの兄弟」以外の古典新訳文庫を読み切って、
「カラマーゾフ」の4巻が出たら、即、1巻から読みはじめ、カラマーゾフ・モードに入れるようにする、
というのが、私の黄金週間の目標。
28日(土)
府川源一郎『「ごんぎつね」をめぐる謎』読了。
- 作者: 府川源一郎
- 出版社/メーカー: 教育出版
- 発売日: 2000/06
- メディア: 単行本
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「子ども・文学・教科書」というような副題がついている本なのに、とてもおもしろく読んだ。
文学と教科書の関係を歴史的におさえていく入門書として最適。
29日(日)〜30日(月)
帰省の電車の中で、「吉祥寺スタイル」読了。
- 作者: 三浦展,渡和由研究室
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2007/04
- メディア: 単行本
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吉祥寺の喫茶店で、古典新訳文庫を読むぞ〜!!
古典新訳文庫『恐るべき子どもたち』をやっと読了。
- 作者: コクトー,中条省平,中条志穂
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2007/02/08
- メディア: 文庫
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かなり集中しないと作品の中に入りこめず、作品の中に入り込まないと、内容がほとんど理解不能。
訳者の中条省平さんがエクステンションセンターの講義でおっしゃっていたように、
この小説はびっくりするほど飛躍が多い。
ぼんやり読んでいると、ええーっ、これってどうつながってるの? 状態になる。
ただ、作品の中に入り込んでいると、この飛躍が必然的な飛躍のように思うし、
奇抜な比喩がこれ以外あり得ないという比喩に思える。
ぐるぐるとめまいのような「子供たちの遊戯」の世界にまきこまれて、
そこで通用している論理こそが、世界の真実のように思えてくる。
電車の中であんまり熱中して読んでいたので、少し乗り物酔いのような感じで、気分が悪くなってしまった。
これまでにもこんなふうに、電車の中で読んでいて気分が悪くなった本が何冊かあって、
いずれも思い返してみると、ものすごい力のある本だった。
1冊は、島尾敏雄の『死の棘』。もう1冊は、E・M・フォスターの『モーリス』。
「気分が悪くなる本ベスト3」なんて、なんだか不名誉な感じだけれども、
私としては最上級のほめことばのつもり。
高田馬場の古本屋めぐり。
平野書店で2冊購入。
・「Foreign Literature 世界の小説 戦後30年」(1977年・朝日出版社)
・福田恒存他『なぜ日本語を破壊するのか』(1978年・英潮社)←この一行、すべて旧字旧仮名に直す
Blue Parrotで、子どもの本を2冊購入。
・A Treasury of stories for SIX year olds
・The Third Young Puffin Book of Bedtime Stories
せっかく仕事を離れた黄金週間なのに、仕事熱心な選書だなー。
青山七恵『ひとり日和』とか、森見登美彦『新釈走れメロス』とかも買ってあるので、
このあたりも織り交ぜつつ、夢の読書三昧の日々を送りたい。