本、本、本。

連休2日目は神保町へ。午前中は古本まつり、午後はブックフェスティバル。古本は全部を丁寧に見られるはずはないので、思い切って文庫と新書の棚は素通り。それでも専大前の交差点から靖国通りを(時折横道にそれつつ)さかのぼり、三省堂書店の前にたどりついたときは既に午後1時。おめあてのカレー屋はしまっていたので、まつりの賑わいから少し離れたところにある蕎麦屋で昼食。午後はブックフェスティバル。こちらは古本まつりにくらべると若い人が多い。午後になってさらに人が増えたのか、ブースによってはものすごい人だかりで近づけない。自社のブースもそれなりににぎわっていて、販売のじゃまにならないよう、若手の同僚にささっと挨拶をして離れる。どれくらい売上げがあるのかはわからないけれど、こんなすてきなお祭りに自分のつとめている会社も参加しているんだと思うと、誇らしい気持ち。古本まつりもブックフェスティバルも、そこで売られている本1冊1冊に個性があって自己主張をしているようで、このときばかりは「売れ行き」とか「ベストセラー」とか関係なく、本たちが1対1の出会いを待っているような感じなのだ。


などと言いながら、祭りの空気だけいっぱい吸い込んで、結局、お金は落とさなかった不実なわたし。いつもじゃんじゃん本を買うのに、なぜか本の量とお祭りムードに圧倒されて、1冊も本を買えなかった。どうしようかな、と思って手に取った本は、何冊もあったんだけどね。なんだか心残りで、連休最終日の今日は、近所で最大の書店である、ジュンク堂吉祥寺店へ。ここでも2時間くらい、ウロウロした末に、やっと1冊だけ購入。古典新訳文庫の『ピグマリオン』。これは、先日「マイ・フェア・レディ」を観ておもしろかったからで、戯曲は苦手(読みにくい)とずっと思ってたけど、古典新訳文庫でシェイクスピアを読んでから苦手意識が一掃されたということもある。でも、これを読むのは、手元のロレンスが読み終わってからだ。


今日は天気がよかったから、自転車で自宅から寺町をぬけて千歳烏山へ行き、三鷹の新川を抜けて井の頭公園へと走った。千歳烏山は下町っぽくて好きだし、新川や井の頭公園のあたりは東京とは思えないほど緑が多い。休日の吉祥寺はお昼を食べるところをさがすのが一苦労、ってくらい混雑するけど、でも(幸か不幸か)ジュンク堂の海外文学のコーナーは静かで落ち着いていて、でもすばらしい品揃え。いい本屋がある、っていうのは、町の最大の魅力だよなーなどと、あらためて思いながら、帰路は玉川上水沿いを走った。近所のスーパーで夕飯の買い物をして(ちょっと奮発してすき焼き!)、メルマガ割引でブロッコリーを激安で買って、帰宅したらすぐ、コーヒーを淹れて、借りてきたDVDを観た。


すき焼きを食べて、食後のコーヒーを飲んで、お風呂に入って、文庫本をひらく。この3日間、本を読んだり映画をみたり、本屋さんに行ったりする以外、なーんにもしなかった。明日からまた、忙しい日々がはじまる。朝から早速、英語のレッスンがあるし、届いている原稿を入稿して、メールの返事を書いて……と、やらなくちゃいけないことが次々頭に浮かぶけど、いやいや、もうしばらく、休日モードに浸ってもいいよね。もう一杯紅茶をいれて、20世紀初頭のイギリスのお屋敷へ、いざ。