三夜連続

先週で、ヘルプで入っていた仕事がひと段落する予定だったので、
今週は月・火・水と三夜連続でプライベートな集まりに参加。


月曜日はおもにネットを通じて知り合った雑多な人たちの集まり。
ふつうはオフ会、とかいうのかもしれないけれど、そういう「趣味の集まり」ってわけでもなく、
ゆる〜い感じでそれがよかった。
会に誘ってくれた同じ会社の辣腕編集者と、同じ業界の他社ベテラン編集者、
それに、以前私が翻訳者としてお世話になったこともある出版社に勤める若き女性編集者、
それから、かなりディープな世界まで突っ込んでいくフリーライター、という組み合わせ。
最初はちょっと遠慮気味だったのだけれど、お酒が進むにつれて、みなさん次第に饒舌になり、
話はぐんぐん盛り上がった。
その興味・関心の広さ、目のつけどころや突っ込みかたの斬新さに、感服することしきり。
私の悪い癖で、ちょっとはしゃぎすぎてしまったかも。すみません。


火曜日、翻訳関係の仲間の集まり。
多和田葉子の『アメリカ―非道の大陸』を課題図書にした読書会、という名目の、
まあ、みんなで楽しく飲んで語りましょう、という会。
女性翻訳家ばかりずらりと揃って12人。
会場になった恵比寿のイタリアンレストランがすばらしくて、味はもちろんのこと、
サービスがとても行き届いていて、大満足の数時間。
気づいたら、11時を過ぎていた。
この会でも、みなさんの知識の広さ、興味の広さに、ため息をつくばかり。
とくに、さすがにみなさん翻訳家だけあって、外国映画や音楽などの海外情報にやたら詳しい。
ほとんど会話についていけないんだけど、なんかおもしろそうだなあという気分は伝わってくる。
考えてみると、ほぼ同世代の女性ばかりの集まりなんてものすごく久しぶりで、
ふと客観的に見たら、オソロシイ集団だったかも。
昼間の会にくらべると、本の話はほとんど出なくて、でもこれはこれで楽しかった。
こういう時間を糧にして、みなさん、地味でお金にならない翻訳の仕事に戻っていくのね、と
思わずしみじみしたりして。


水曜日。以前つとめていた編集プロダクションのある仕事の「打ち上げ」にゲスト参加。
荻窪のこじゃれた店で、有名な漫画家などが常連だとか。
懐かしい町で、懐かしい面々と飲んでいると、すっかり「地」が出てしまい、
お酒も食事もどんどんすすむ。
この編集プロダクションに入ったのは、たしか32歳のときで、新聞の広告に「30歳位まで」と出ていたのを、
「若く見えます」というおかしなごり押しをして、入社したのを思い出す。
勤めていたときはそれなりに、不満もあったし文句も言っていたように思うけれど、
離れてみるとほんとうに温かくて、人間味あふれる人たちで、
自分は何も飾ったり、無理をしたり、役割を演じたりする必要もなくて、
あー、楽ちんだなあと思った。昔の仕事仲間って、そういうものなのかもしれないな。


実は、先週いっぱいで終わったはずのヘルプの仕事が、諸般の事情により延長になってしまい、
ほんとうは飲みになんて行っている場合ではないのだった。
ヘルプ先のグループのリーダーが体調を崩し、なんだかわからないけれどもとにかく、
お役所相手の仕事も含め、すべてをバリバリと進めないと、大変なことになる、という状況に
追い込まれてしまっている。
部長も次長もことの重大さをわかっていないのか、わかっていてなんとかなるとたかをくくっているのか、
「なんとかします」と言ってしまった私が悪いのか、たぶん、最後の選択肢が正解なのだろう。


一方で、懸案だった単行本の企画が、少し、メドがついてきた。
その関係で、二人の先生とお会いし、感銘を受けた。
どんな仕事でも、仕事の原動力というのはやはり、情熱なのだということをあらためて実感。
もちろん会社の仕事である以上、「ショーバイ」だという意識は大切なのだろうし、
先生方ももちろん、「売れる商品」にするためにどうしたらいいか、ということにも、
知恵をしぼってくださったけれども、
それでもやっぱり、先生方の言動を支えているのは、この本をどうしても出したい、いい本に仕上げたい、
たくさんの人に読んでもらいたい、という情熱だったと思う。
話しているうちにどんどんアイディアが出て、わたしはそれを書き留めるのに必死。
なんとしてもこの企画を成功させなければ。


仕事とプライベートな飲み会にかまけて、
ちょっと家の中が荒れ気味。
今日、校了日だった同居人が、夕食をつくってくれた。
野菜中心のヘルシー料理。感謝。
明日はがんばってお弁当をつくろうっと。