島田雅彦氏講演

今日はある学会の講演で島田雅彦さんが来るというので、
連日の講演会・研究会でやや疲れてきてはいるが、とりあえず行ってみた。


先祖がえり、というテーマで、小説家としての自分の原型が、
多摩丘陵縄文土器の破片をひろっていたことにあるのではないか、
という語りだし。
やがて話はグレート・ジャーニー、
氷河期の人類がマンモスを追って旅をした軌跡が、
現代のわれわれ日本人の精神性に影響を与えている、
というところまでさかのぼり、
なんだか狐につままれたような気分になりつつも、
小説家らしい語り口のために、つい、ふうん、そうなのかもしれないなあ、と
思ったりした。
実際のところ、彼の言っていることが正しいのかどうかなんて、
だれにも証明なんてできないんだから、こういうことって、
「言ったもんがち」なんだな、と思った。
そういう、「言ったもんがち」みたいなことを、どんどん見つけていける人が、
すぐれた作家になるのかもしれない。


そういえば昨日、亀山郁夫さんも、「誤読のすすめ」という話をして、
「90パーセントは間違っていても、10パーセント正しければ、
それは、研究成果として意味がある」というようなことを言っていて、
こういう賢い人たちのお話をきいていると、
なんだか自分までちょっと賢くなったような気分に浸れる。


しかしそれは、あくまで「気分」だけだという自覚が必要かも。
講演会や研究会にいって、話をきくだけで満足してしまって、
自分では何ひとつ行動しない、という循環に陥ってしまいがちだから。
注意、注意。


それにしても、島田雅彦さんは、期待以上に美形!でした。