古本屋に誘われて

先日、同居人がネット古書店で古本を買ったら、本といっしょに犬吠埼のホテルのチラシや銚子の観光スポットの割引券が入っていた。ちょうどそのころ、週末にあまり遠くないところで1泊旅行したいね、海水浴とかしたいね、と話していたところだったので、うーん、これは運命だ、と思い、チラシのホテルを予約して、今週末、往復高速バスで犬吠埼へ向かった。携帯本は、文庫本1冊と、新潮クレストを1冊。同居人が海水浴をする、と張り切っているので、その間わたしは優雅に読書タイムを楽しもうかな、と思っていた。


古本屋が入れてくれたチラシのホテルはお風呂もお部屋も海の目の前で、とにかく絶景。海の幸をたらふく食べて、何度もお風呂に入って、のんびり過ごした。土曜日の夜はすごい稲妻&雷で海は大荒れだったけど、今日はすっきりと晴れて、でも東京にくらべるとだいぶ涼しくて、海水浴場まで行ったものの、二人とも結局泳ぐことはせず、そのまま高速バスでわりと早い時間に帰宅。結局、本はほとんど開かずに終わった。


最近、老眼が進んできたせいか、目が疲れやすくて今までみたいにがんがん本を読めなくなってきた。人生であとどれくらい本を読めるだろう、と思うと、なんだか全然時間が残ってないような気がして、あれも読みたい、これも読みたい、って思うんだけどね。せっかく古本屋に誘われて出かけた旅なのに、わたしとしては珍しく、読了本なしで帰ってきてしまった。まあでもそのぶん、ずいぶんのんびりできた。リフレッシュしたので、明日からまた、仕事がんばらなくちゃ。


木曜日、金曜日と会社のクミアイの行事があり、あらためて自分は、ずいぶん上のほうの世代なんだなあ、と実感した。クミアイを中心的に動かしているメンバーは皆、とてもしっかりしていて頼りになる感じだけど、実は皆年下だ。新入組合員として前に出て挨拶した子たちは、ほんとうに息子・娘だとしてもおかしくない年齢層。皆、初々しい感じで立派な挨拶をする。年下の人たちのことを頼もしいな、とか、これから楽しみだな、とか思ったり、年上の人たちから、支えられてるな、見守られてるな、と思ったりする体験ていうのは、会社勤めをしているからこその得難いものなんだな、とあらためて思った。いつもはつい、組織に所属していることの面倒くささや不自由な感じにいらついたり反発したりしているけど、もちろん、こうしたいい面もある。


先週はたまたま、同世代〜少し上の世代の女性と話をする機会が続いた。プライバシーにかかわるのであまり詳しく書かないけれど、女も50年近く生きてくれば、いろんなものを抱え込んでしまうんだよな、と思った。みんな、家庭や仕事でさまざまな困難にぶつかって、なんとか一つ一つ解決して乗り越えて、そのことを笑いながら話してくれる。解決の仕方や方向性には、やっぱり個性が出ていて、あー、わたしだったら絶対、そういう方向には進まない、と思うけど、でも、その解決の仕方は彼女らしいな、と思ったりする。


明日は、わたしにとってとても大切な人である、児童文学者に久しぶりに会うことになっている。妹が死んだ直後に初めて会って、以来ずっと、わたしの心の支えになってくれている人だ。不本意な仕事をしていて元気がなかった時期には、40代は人生の朝日と夕日を両方楽しめるときだと言って励ましてくれた。とても優しくて、頼りなく見えるけれど、実はものすごく芯の強い、迫力のある人だ。そして夜は、柴田元幸さんと柴崎友香さんの対談に申し込んだ。
これ。↓
http://bookandbeer.com/blog/event/20130729_bt/

会場があまり大きくないからあっという間に満員かな、と思っていたんだけど、おとといの時点でまだ空席があったようなので、あわてて申し込んだ。場所は下北沢だし、開始時間がわりと遅いし。柴田さんの話をきくのは、結構久しぶり。柴崎友香さんは初めて。楽しみだ。