少しつかれた

今日は営業初日。朝9時から夕方6時まで、びっちり営業活動。立っている時間、話している時間は長く、話しているときは緊張度も高く、久しぶりだったせいか、今年宣伝する本に思い入れが強すぎるのか、あるいは単に年をとったのか、今日は例年以上に疲れた。ごく身近な方が亡くなったのに営業中なので葬儀に行けないことや、仕事以外のちょっとした頼まれごとがたまたま複数重なってしまったことなども、この疲労の一因かもしれない。


また、今日は営業活動も思うようにはかどらず、本の内容やその他の雑談で営業先の方と盛り上がるというような機会も一度も訪れなかった。あげくの果ては軽いぎっくり腰みたいになってしまい、重い荷物を持って階段をのぼったりおりたりするのがかなりしんどい。ああ、こんなことでこれから1週間×2回の営業活動をのりきれるのか……と不安な気持ちのまま、特急で金沢へ。


金沢では大好きなお風呂付きのチェーンホテルへ。昨日の福井のホテルよりも宿泊料金は500円安いのに、部屋はきれいで広いし、ホテルの最上階には小さな露天風呂までついた温泉があるし、部屋着とかコーヒーのサービスとかも万全。7時半頃に金沢に着いて、海鮮丼の夕食をとり、たまっていた留守番電話やメールの返事をして、さっき、お風呂に入ってきた。そしたら、だいぶ疲れがとれたみたいだ。


同居人と電話で、ウォーの『ご遺体』がいかに傑作かについて語り合う。これだけ不道徳で悲惨な話なのに、なぜか下品な感じがしないんだよね、ということで意見が一致した。あまり長くないし、諷刺やひねりもあまりきつくなくてわかりやすいので、初めてウォーを読む人には絶対におすすめだ。「ブライズヘッドふたたび」もいいけど、ちょっと長いし、ウォーらしさ、という意味ではちょっとちがうかもしれない。(でも、うちの母は、あまり海外文学を読み慣れているというタイプではないが、「ブライズヘッド」はすごく良かった、と言っていた。なので、ウォーは難しい、とよく言われるけど、実はそうでもないのかも。)いずれにしても、『ご遺体』が面白かったので、そのほかの作品もどんどん読んでみようと思う。こういう面白い本に出会うと、読書の趣味があってほんとうに良かった、と思う。わずか876円で、これだけ豊かな時間と経験を買うことができるのだ。


明日も朝いちばんにもう一度お風呂に入って、朝ごはんをしっかり食べて、出動だ。今日はイマイチ不発だったけど、明日はまたきっと違った展開になることを信じて、そろそろ寝ることにしよう。グレアム・グリーンの短編を、2、3本読んでから寝ようかな。