モンキービジネスとスローモーション

今日は休日出勤。
1日集中してひとつの企画の準備をする。
好きな仕事なのでご機嫌。
気づくとお昼も食べずに3時をまわってしまった。
尊敬する児童文学者が、先日このブログで書いた福原麟太郎と同じようなことを語っている記事を発見してうれしくなる。
読了した本の冊数を競うような読み方はちょっとどうかな、といったコメントのあとで、
「本を読むことって、自分の心の中にどれだけ本の世界を取り入れられるかってことだと思うので……」(引用不正確)
などと語っている。
まったく同感。
読書シールなどを使って子どもにたくさん本を読ませようとする活動もあって、
それを頭ごなしに否定するつもりはないけれど、
やっぱり、「何冊読んだか」ということより、そして「何を読んだか」ということより、
「そこから自分の心の中に何を取り入れられるか」
(福原流に言えば「自分の生活に何を教え、何を加えるか」)
ということが大事なんじゃないかなあ。


1日子ども向けの本ばかり読んでいたので、
帰りにちょっとだけ吉祥寺のエキナカ書店に寄った。
ここは先月からブックファーストに変わったんだけど、うーん、ちょっとイマイチ。
店内は以前より雑然としているし、本の並べ方に「こだわり」が感じられなくなった。
これから少しずつ良くなっていくのかもしれないけれど、
以前の書店がかなりお気に入りだっただけに、ちょっと残念。


「モンキービジネス」の最新号を購入。

モンキー ビジネス 2009 Winter vol.4 少年少女号

モンキー ビジネス 2009 Winter vol.4 少年少女号

お目当ては、どなたかがブログで書いていた、「好きな男の子・女の子」の記事。
「文学作品に登場する、好きな男の子・女の子を一人ずつあげてください」という、
まあ、ありがちな、長めのアンケート形式の企画なんだけど、
これが、柴田元幸編集の「モンキービジネス」となると、
なぜだかまったく、「ありがち」じゃない企画になるのだった。


浅尾大輔氏が「かねた一郎」を挙げているのに始まって、
執筆者も変り種なら、あげている「好きな男の子・女の子」も、うーん、マニアック!
最後に吉野朔実さんが「くまのプーさん」の「クリストファー・ロビン」をあげていて、
ちょっとほっとさせられたりして。


この雑誌でわたしが毎回いちばん楽しみにしている企画は、
Monkey Classics:Overseas 。
柴田さんが英米文学の古典を新訳する、というコーナーだ。
今回はホーソーン「死者の妻たち」。
お風呂に入ってから紅茶でもいれて、ゆっくり読むつもり。


「モンキービジネス」だけ買うのはなんとなく気が進まなくて(なぜだろう?)、
文芸評論の棚をながめていたら、
前から読まなくちゃと思いながら入手できていなかった本を発見して購入。

スローモーション考

スローモーション考

「英語青年」の連載時は、ワーズワースのところなど、それほど抵抗なく(苦労せずに)読めていたので、
だいじょうぶかな、と思っていたのだけれど、甘かった……。
話題はプロ野球のこととかダンスのこととか、決して難しい話ではないはずなのに、
とにかく著者が取り上げる話題の範囲が広すぎ、文化レベルが高すぎて、
うう……ちょっと落ち着いて読まないと、歯が立たない。
わたしの大好きな絲山秋子の「袋小路の男」とか出てきて、
なんだかすうっ〜と読めそうなんだけど、ね。くすん。


年をまたいで読み続けている『アーサー・ウェイリー』は、
なんとしても今月中に読み終えなければ。これ以上遅れると、挫折しそうだから。
そういえば今日本屋で、ノーマ・フィールドの源氏物語本を手にとってみた。
すごい大著。『アーサー・ウェイリー』を読み終えていたら、買ったかもしれないな。
とにかく、木曜日からの京都出張前に、『アーサー・ウェイリー』、がんばって読み終えるぞ。
(でないと、荷物になるからね〜)