昭和の女の休日
水村美苗『本格小説』を読み始めた。ものすごくおもしろい。
その名のとおり、「小説らしい小説」だ。
ただ、この小説も、先日書いた同じ著者の日本語本と同様、
いわゆる読書人の間でも、評価がだいぶ分かれているらしい。
おそろしく個人的・感覚的な分け方をすると、
わたしが「頭がいいなあ」と思って憧れ目線になるような人々は水村嫌い、
わたしが「ぐっとくるなあ」と思ってずぶずぶいくような人々は水村好き、
というような感じだ。
で、「頭がよくてすてきなうえに、ぐっとくる」というようなめちゃくちゃ好みのタイプの人は、
一定の距離を置きつつ、水村を語る、というところか。
などというのは他人には何の意味もない分け方なのだけれど、
先日ある方のブログのコメント欄で、あなたは昭和の小説に出てくるような人だ、と言われたので、
もうこの際、このブログ上では、わたしは昭和の女なのよと開き直って、
社会人として、あるいは職業人としては、ちょっとどうよ〜、と思うようなことでも、
あまり考えずに(持ち前の浅はかさ丸出しで)だらだら書いちゃおう、とあらためて思ったのだった。
というわけで、「昭和の女の休日」は、
おふとんほしから始まりました。
今日明日は同居人が学会出張でいないので、
「この2日間、家中、お掃除をします!」と宣言。
ここのところ公私ともにいろいろあって、家の中が荒れ放題となっていたのだ。
以前に読んだ、「捨てる!生活」というハウツー本をひっぱりだして、
よおし、この2日で身の回りをすっきりさせて、家の中を気持ちよく整えて、
夜はゆっくりお風呂に入って、『本格小説』の続きを読むのだあ、と考えたら、
もう、考えただけでうきうきしてきてしまうのだった。
さらにもうひとつ、ちゃんと予定どおりお掃除ができたら、
明日のお昼は井の頭公園の「うさぎ館」で優雅にガレットをいただくという、「ご褒美つき」にしようっと。
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結論というか要旨は、まあ、じゃんじゃん捨ててすっきりしましょう、ってことなんだけど、
その個別の具体例の的確さが、すごい。
「ああ、わたしがそれを捨てられないわけを、あなたはどうして知っているの〜?」という感じだ。
著者は、「うん、たしかにそれは捨てられないよね、でも、こんなふうに考えたらどう?ほら、捨てられるでしょ?」
というふうに、次々に説得してくれる。
ハウツー本だと思ってばかにしちゃいけない。この著者の人間観察はなかなか鋭いゾ。