アクーニン『アキレス将軍暗殺事件』
- 作者: ボリスアクーニン,沼野恭子,毛利公美
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2007/02/27
- メディア: 単行本
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いやあ、ひさしぶりに文字どおり、「手に汗にぎる」読書体験を。
歴史小説好き、冒険小説好きには、絶対おすすめ。
個人的には大ベストセラー小説『ダ・ヴィンチ・コード』よりおもしろかった。
翻訳も非常にうまいと思う。訳者は二人とも女性だけれども、
「女性に冒険ものは無理」というかつての(今も?)翻訳界の裏常識(?)を、見事に裏切ってくれている。
主人公のファンドーリンも、悪役のアキマスも魅力的なのだけれど、
わたしは何といっても、日本人の従僕マサが好き。
著者は日本にしばらく住んでいたそうで、作品の中にもかなり日本の話が出てくる。
で、それは必ずしもきちんと考証がなされているという感じはしなくて、
えー、何それ〜、ありえな〜い、と思うような場面もあるのだけれど、
そんな些細なことはぶっとばしてしまうくらい、この日本人従僕マサは、魅力的なキャラクターなのでした。
同時刊行の『リヴァイアサン号殺人事件』も、早く読みたい。
英語だったら未訳の分は原書に挑戦したいくらいだ。ロシア語だから絶対無理なんだけど。
それにしてもこのアクーニンという人の作品群、ロシアでは空前絶後の大ベストセラーになっているらしい。
この本を読んで、さもありなん、と思ったのだけれども、
日本版の版元がおかたいイメージの岩波書店、というのがなんだか不思議。
ただし、岩波の本だからといって、「よい子のみんなに安心して読ませられる本」などと誤解することなきよう。
内容的にはバシバシ人が死ぬし、残虐非道な場面が続出します。
今日は朝から選挙に行き、昼間、隅田川で船に乗り、浜離宮で花を楽しみ、
西荻「ぼぼり」でいちごミルクアイスクリームを食べ、
自宅でゆっくりと夕食をとり、夜はテレビの選挙速報を楽しむ、という予定だった。
最後の1点をのぞけば、完璧な1日。