アーサー・ビナード2冊

アーサー・ビナード氏のエッセイを2冊読了。

日本語ぽこりぽこり

日本語ぽこりぽこり


出世ミミズ (集英社文庫(日本))

出世ミミズ (集英社文庫(日本))


朝日新聞の連載を読んで、おもしろそうな人だなあと思っていたけれど、
先日、国語教育関係の講演会でお話をしているのを聞き、
「読んでみよう」と思った次第。


アメリカン・ジョークだなあと思うことも多いけれど、
なんといっても、詩人として「ことば」を見つめながら、
英語と日本語の間をいったりきたりしている人ならではの視点が、私にはとても面白かった。


誤訳の指摘など耳の痛い話もあったし、「なるほど」と思うことも多々あったけれども、
エッセイを2冊読んだ時点での印象は、
「ずいぶんフットワークの軽い詩人だなあ」ということ。
もちろん、いい意味で言っている。


日本語で疑問に思うことがあったら、どんどん調べる。
調べていくうちにはまっていって、机の上で調べきれなくなると、どこへでも行く。だれにでも会いに行く。
文章から想像するに、結構シャイな感じなのに、「知りたい」と思ったらとまらないみたいだ。
年齢が若いということもあるかもしれないけれど。


日本語でいい作品に出会うと、すぐに英語に訳してみたくなる。
落語、書道、謡などにも、どんどん挑戦する。
学会や文壇には、ほとんど関心がなさそう。


次は朝日の連載をまとめた最新刊を読んでみよう。