葬られた夏

7月21日の組合大会で、1年間つとめた労組の執行委員のお仕事完了。
日教組時代にもそれなりに労組とはかかわりがあったけれど、
この1年はほんとうに大変だった。
たいした役職についているわけでもないのにこれだけ時間をとられるのだから、
委員長とか書記長とかの激務を思うと、何のためにこんなに苦労をしているのか、
頭の中がクエスチョンマークだらけになる。


というわけで、この週末読了したのは、「追跡 下山事件」という副題のついた、
諸永祐司「葬られた夏」。

葬られた夏―追跡下山事件 (朝日文庫 (も14-1))

葬られた夏―追跡下山事件 (朝日文庫 (も14-1))


中学のときに部活の顧問以外で唯一好きだった先生が、国語のN先生。
教科書を使った普通の授業もそれなりに面白かったけれど、なんといっても印象に残っているのは、
下山事件」「松川事件」などについて、図解・謎解きをしてくれた「雑談タイム」だった。
国語が得意だった私だけでなく、部活の友人なども、「N先生といえば○○事件」と記憶していたことを思うと、
相当、気合が入った「雑談」だったに違いない。


それから10年以上たって、母校と同じ地域の国語教師になったとき、
N先生は労働運動の闘士であることを知った。
当時、組合専従として、現場を離れていた。
それからさらに10年以上たった今、N先生はどうしているだろう。
今なら、25年前の中学校の教室で、彼がなぜ、下山事件について熱く語ったのか、たずねることができるような気がする。