ディケンズの合間に

相変わらず『デイヴィッド・コパフィールド』を読んでいる。
現在4巻。もう少し。おもしろく読みやすいのだけれど、なんだかやたらと時間がかかっている。
風邪のせいか。いや、読書体力が落ちているような気がする。無念じゃ。


ディケンズの合間に、「読まねば」本を1冊、とばし読みで読了。

「国語の授業はなぜ眠かったのか? 教師用指導書が間違っているからだ!」という帯コピーは、
わたしにとっては刺激的かつ興味深いが、普通はどうなのだろう。
みんな、指導書になんか、興味あるのかな。(わたしはもちろんあるけど……)
そして、国語の授業は眠かった、退屈だった、って思ってる人って、どれくらいいるんだろう。


中身について、言いたいことは山ほどあるけれど、あまりに自分の仕事に近い内容なので、
とりあえずコメントは差し控えようと思う。
ただ、小森陽一さんも、石原千秋さんも、わたしがいっしょにお仕事をしている先生方も、職場の先輩・同僚たちも、
みんな、考えていることはそう遠くないのだと思う。
文学を大切に思い、読者一人一人の感じ方を尊重したいと思い、
生徒たちには受験技術ではなく、一生モノの「読む力」をつけてやりたいと思っているはずだ。
「道徳的な正しい読み」なんてものを押しつけようとする人なんて、
わたしはいまだかつてお目にかかったことがない。
抽象的に語れば、みんな同じようなことを思っているのに、
具体になるとどうしてこんなに、誤解だらけ、すれ違いまくりになってしまうのかな、と思う。
さびしいような、つらいような気持ちになって、本を閉じた。


本を愛する人うしの連帯感や信頼を取り戻すべく、
文學界の新年号を買った。

文学界 2010年 01月号 [雑誌]

文学界 2010年 01月号 [雑誌]

お目当ての「新連載評論」があったから買ったのだけれど、
いやあ、やっぱり頭のいい人の文章って、すごい。
そうなのよ、こんなふうにわかりやすく書いてくれれば、
わたしだってちゃんと評論が読める。
今まであまり興味がなかったようなことにも、
興味を持てるようになる。
これからこの連載を読むため(と、もしかしたら仕事の役に立つかもと期待して)、
とりあえず1年、「文學界」を定期購読することにした。


ほかに印象に残ったのは、
山田詠美の短編4本の中の1本「催涙雨」。
かなりやばいラストだけど、わたしはわかるような気がした。
東×堀江の対談はいまいちだったけど、
平野×西垣×前田の鼎談は、部分的にほお、と思うところがあった。
何しろ先日買ったばかりのキンドルの話題から入ったので、
対談とか鼎談とか、あまり好きじゃないんだけど、これはまあまあおもしろかった。
まだ全部ちゃんと読んだわけじゃないので、感想はこれくらいにしておく。


さて、明日もまた、「代休取得」の予定。
さすがにこの週末で、ディケンズ読み終わるだろう。
次は何を読もうかな。
おじさんキラーの若手女性作家週間ってことで、
川上未映子『ヘヴン』、青山七恵『かけら』でも読むかな〜。