ただいま

やっと、帰ってきました。
まだ、完全復帰という感じじゃないけど、少しずつ日常生活に戻れるのではないかと思います。
もう、ブログの書き方も忘れてしまった。
敬体で書いていたのか、常体で書いていたのかさえ、あやふやだけど、とりあえず「生きてます」ってことが伝われば、という気分で書いています。


この数か月、どんなふうに大変だったか、どんな事件が起きたか、記録のために書いておこうかな、と思ったけど、
書くだけでつらくなりそうなので、やめておきます。
最終的には周囲の年下の人たちに励まされ、支えられて、なんとか心身ともにもちこたえることができました。
いや、もちこたえてないんじゃないか、という人もいるんだけど、自分としては、ぎりぎりもちこたえているつもり。


大きな山を越えたら、美容院に行きたい、温泉に行きたい、ゆっくり本を読みたい!! とずっと思ってました。
で、この1、2週間ほどで、すべて実現。
美容院に行って、伸び放題だった髪をばっさり断髪(切りすぎて少年かサルみたい)。白髪もきれいに染めて、10歳くらい若返った。
温泉は丹沢の中川温泉。秘湯っぽい雰囲気の温泉宿で、のんびりまったり温泉につかる。
そして、温泉の合間は、読書三昧。
選んだ本は、『S先生のこと』『終わりの感覚』の2冊。

終わりの感覚 (新潮クレスト・ブックス)

終わりの感覚 (新潮クレスト・ブックス)

いやあ、よかった。すばらしかった。
どちらも、地獄の果てから文化的生活に戻ってきたことを実感させてくれるのに十分な、いい匂いのする本だった。
とりわけ『S先生のこと』は、ブログ連載中から泣きながら読んでいたものの単行本化で、
あらためてまとまったものとして読んでみても、やっぱり同じところで涙ぐみ、同じどころで「ねえねえ」と同居人に話しかけ、
読み終えてからは同じようにぼんやりと、自分自身の周りの人や仕事とのかかわりについて考えた。
その前の狂ったような数か月を思うと、どんなふうに生きても同じ時間が過ぎていくのだとしたら、
わたしはこんなことをしてていいんだろうか、と思った。
で、「わたしはこういう本をつくる人になりたいんだよね」と同居人に言ったら、
「同じことを考えたよ」と言われた。


きちんとまとまった感想文が書けるほどには恢復していないみたいだ。
文章がこれ以上続かない。
もう少し元気になったら、『S先生のこと』と『終わりの感覚』の感想をちゃんと書きたい。
そうだ、なんと昨年末は、恒例の年間ベスト選出すら、できなかったのだ。
体はもちろんだけれど、精神的にも余裕がなくて、同居人からは「そういうときこそ本を読まないと」と言われた。
いつものわたしながら「そーだよな」と思って読書に戻っていくのだけれど、今回はほんとにだめだめだった。
もしかして、年のせいかな、と思ったりもする。そうだよなー、どう考えても50近いオバサンの働き方じゃなかったなー。


おっと、こんなふうに同じ話題に戻っていくことじたい、やばい感じだ。
少しだけ、そうだな、2月いっぱいくらいは、自分を甘やかして、のんびり過ごしてみよう。
本も読みたいときに、読みたいものを読めばいい。
感想もブログも、書きたければ書けばいい。
そんなふうに過ごしていれば、たぶん少しずつ、ふつうの感じに戻っていけるにちがいない。


先週の金曜日から早朝テニスも復活。
奥泉光『モーダルな事象』読了。

あんまり難しい本は読みたくない、かといってあんまり薄っぺらなのもねえ、といういまの気分にぴったりで、
夜中まで読みふけって一気に読了した。
さて、次は何を読もうか。たまたま手にとったのは、『カラマーゾフの妹』。くんくん。匂いをかいでみる。
よし。リハビリにはちょうどいいかも。