梁山泊

『超人高山宏のつくりかた』読了。

超人高山宏のつくりかた (NTT出版ライブラリーレゾナント)

超人高山宏のつくりかた (NTT出版ライブラリーレゾナント)

先週の講演会は、この本の刊行を記念したもの。
講演会をはさんでちょうど半分くらいずつ読み、その日のうちに読了。


講演同様、ものすごい量の知識がぐるぐると連想ゲームのように繰り出され、
「不愉快」ぎりぎり一歩手前の、なんとも言えず魅力的な語り口が炸裂。
ただし、読み終わって何か知識めいたものがこちらの中に残っているかどうかというと、
ああ、なんということ、皆無! からっぽ!なのだ。
それはきっと高山さんのせいではなく、わたしの頭がたりないせい。


先日、このブログで高山さんの講演会のことをちょこっとだけ触れたところ、
高山宏 講演会」で検索してくる人がものすごく多くて、びっくり。
せっかく訪れてくださった方は、あんまり内容がないのでがっかりしたと思う。ごめんなさい。
同居人のためにせっせとメモはとったのだけれど、
わたしの力では「まとめる」ことなどできるはずもなく、
とくに印象に残っているエピソードはといえば、
ロンドン王立協会会員がパーティを盛り上げるためにどんな奇抜なことを考えたか、なんて話ばかり。
(全裸で熊にまたがり、全身に油を塗って火を放って、そのままパーティ会場に突っ込んだ、とか。ほんとか〜!?)


で、この本のほうも、いろいろためになることが書いてあったはずなんだけど、
印象に残っているのは、都立大英文科の栄光の日々を、「梁山泊」にたとえていることだったりする。
たしかにそこに名前があがっている人々は、ちょびっとでも英文学をかじったことのある人なら、
一度は授業を受けてみたいと思うような、ものすごく充実した教授陣。
さらにその「すごい人たち」が、型破りな講義や学生・同僚とのつきあいを、自分たちも楽しんでいたんだろうなあ、ということが、
梁山泊」ということばからも伝わってくる。
そうなのだ。「水滸伝」を読み終えたばかりのわたしは、「梁山泊」ということばにびびっと反応してしまったのだ。


でもまあ、どれほどすばらしい教授陣にめぐまれても、学生の側に意欲がなければ宝のもちぐされ。
わたしの通っていたお嬢さん大学だって、今思えば当時の教授陣はすごかった。
こちらがもっとやる気になっていれば、先生方からもっといろいろなことを引き出せたはずだったと思う。
でも当時は、テニスや恋愛に夢中で、学問はやっぱり、二の次になってたんだよなあ……もったいない。


水滸伝」にかまけているまに、気づけば「古典新訳文庫」の新刊が出てしまった!
それも、なんと一気に5冊も!
まだ、ヘミングウェイがまるまる残っているのに……。
水滸伝」のあと、どういう風のふきまわしか、ヴォネガットの原書に挑戦していて、
そんなにむずかしい英語じゃないんだけど、やっぱりだいぶ時間がかかる。(英語力、落ちてるなあ……)
よし、これが終わったら、また「古典新訳文庫」全冊読破計画、復活するぞ〜!
……などと、ブログで宣言でもしなければ挫折しそうなのでした。