衝動買い(単純な私)
というわけで、わたしは講座後の興奮と、すべて終わってしまったのだという寂しさを胸に、
近所の大型書店に立ち寄るという危険をおかしてしまった。
案の定、書棚の本がみんな、「読んで、読んで」とわたしを呼んでいる。
2時間ほど書店の中をうろうろして、ああでもないこうでもないと選抜をして、
最終的に買ってしまった本は、次の5冊。
・小鷹信光『私のハードボイルド 固茹で卵の戦後史』(早川書房)
・浅倉久志『ぼくがカンガルーに出会ったころ』(国書刊行会)
・野崎歓『カミュ 「よそもの」きみの友だち』(みすず書房)
・安田敏朗『「国語」の近代史』(中央公論新社)
・阿辻哲次『近くて遠い中国語』(中央公論新社)
わたしがいかに単純で凡庸な人間かを、よく表しているリストだ……。
実はわたしがこういう「お勉強モード」になっているのには、もうひとつ理由がある。
これもあまりに単純・ストレートなので恥ずかしいのだけれども、
「新潮」3月号に掲載されている、四方田犬彦の長編評論「先生とわたし」に感化されたのだ。
(この「先生」というのは、英文学者・由良君美のことである。)
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右手にお箸、左手でページをめくりながら、鼻をすすっているわたしは、「変な人」だったにちがいない。
これについてはいろいろ書きたいのだけれども、今日はもうくたびれていて無理なので、後日。