変化のとき

昨日発令の人事異動で、職場が変わった。座席は同じビルの3Fから5Fへの近距離移動だけれど、扱う本が大きく変わった。これまで11年、きわめて特殊な本をつくる部署にいたのだけれど、これからは一般的な本をつくる部署、その名も一般書出版部、というところにうつることになったのだ。


これまでつくってきた本に、愛情がないはずはない。あれだけ情熱を傾け、時間を費やしてつくった本たちなのだから。でも、前回のブログでもちょっと書いたけれど、わたしは案外「子離れ」がよくて、出来上がってしまった本については、営業さんや次の担当者に任せて、あとは煮るなり焼くなり自由にして、どんどん手を加えてよりよい本にしてちょうだい! というタイプなので、担当していた本とのお別れについては、わりとさっぱりしていて、むしろ、これから作る本への期待とか夢とか(妄想とか)がむくむくとわき上がって収拾がつかなくなるくらい。ただその一方で、人間関係については、もう、どうしていいかわからないくらいウェットで、長くいっしょに働いていたメンバーと別れることを考えただけで涙ぐんでしまい、ここ数日大変な日々を過ごした。


でもまあ、会社を辞めるわけじゃなし、前の職場のメンバーとは、そう簡単に切れてしまう仲ではないと信じて、とにかく一日も早く新しい職場の仕事の進め方に慣れて、ばりばり本を作っていきたいと思う。翻訳書の企画もどんどん出してみよう。(次々撃沈するかもしれないけど、それはそれで別に恥ずかしいことじゃないはず。)若いときならいざ知らず、これくらいの年になると、仕事の内容が変わるってけっこう大変なことなんだな、と思ったりもするけど、わたしはわりと、環境の変化に強い。というか、環境が変化することが好き。また泣いたり笑ったり大騒ぎになるかもしれないけど、このブログで適当にストレス発散しながら、乗り切っていくつもり。


……と、元気よくブログをしめくくったのもつかの間、今までいっしょに本をつくってきた著者からメールをいただいて、またしても涙、涙、涙。こんなふうに思ってくれる人に囲まれて、わたしはほんとうに幸せ者だなあ。