眼鏡を買いに

入院中、コンタクトは何かと不便と聞いたので、以前、老眼鏡をつくった近所の眼鏡やさんに行き、急遽、遠近両用の眼鏡をつくった。明日から出社でおそらく入院直前まで、休みはとれないと思うので、今日しかない、と思って自転車を飛ばした。レンズもフレームも、それなりにあれこれ迷って、一番気に入ったものを買おうとすると、それなりのお値段になってしまう。でもまあ、わたしは本以外にほとんど娯楽品やアクセサリーを買わないんだから、眼鏡くらい贅沢してもいいかなと、思い切って気に入ったのを買った。前に来たときも思ったのだけれど、この眼鏡やさんは接客が丁寧で心がこもっていて、「町の眼鏡やさん」として信頼できる店。眼鏡なんてそんなにしょっちゅう買うものじゃないけど、これから先もずっと、この町に住んでいる限りは、この店で買おう、と思う。すごい割引とかセールとかしてるわけじゃないけど、気持ちよく買い物ができるってことは、わたしにとってはとても重要なことなのだ。


続けて同居人がiphoneを買うのにつきあう。わたしはドコモのiphoneが出てすぐに、シルバーの5Sを買ったのだけれど、ゴールドが欲しかった同居人は、この正月まで待っていたのだ。町の眼鏡やさんと町の電話やさん、比較しても仕方ないんだけど、接客が格段の差だった。混雑してるから無理もないのかもしれないけど、カウンターの女の子の愛想が悪すぎて、ほんとうにびっくりした。わたしがiphone買った某量販店のおにいちゃんは、ものすごく親切に説明してくれたんだけどね。


家から自転車で10分もかからないこの町は、下町っぽい雰囲気で小さな商店がいっぱいあって、結構気に入っている。通勤で新宿、吉祥寺を通るので、大きな買い物や外食の場所には不自由しないんだけど、休みの日に自転車でふらっと行って買い物をする町としては、ここはちょうどいい規模なのだ。ただ一点、大きな問題があって、それは、いい本屋さんがないこと。引っ越してきたばかりの頃は、「京王書房」という名の本屋があって、規模はさほど大きくないし、ものすごく特徴がある、ってわけじゃないけど、まっとうな品揃えで、店内をじっくり見れば1時間くらいは幸せな時間が過ごせる、いい店だった。そこが数年前に店を閉じてしまうと、この町には雑誌や実用書、ベストセラーが中心の、小さい本屋が2軒あるだけ、となってしまった。この2軒は棚の変化が乏しくて、15分もいたらもういいかな、って感じになってしまう。京王書房に戻ってきてほしいよ〜。ドコモの順番待ちの時間をつぶすために、近くの昭和な雰囲気の喫茶店に入った。店の中央にガラス張りの電話ボックスがあって、中に緑色の公衆電話。お客さんもお店の人も、なんとなくみんな、昭和の香り。ちょっと出しすぎて苦い紅茶もまた風情があってよし。


スーパーさえきに寄って夕ご飯の買い物。カレー鍋を食したあとは、同居人が借りてきたくだらない、でもそこそこおもしろいドラマのDVDを観る。観ているうちに「そこそこ」が「かなり」になり、結局、かなり夢中になって6話分くらいノンストップで観る。気づいたらもう日付が変わってる。明日から会社なんだから、もう寝なくちゃ、と思ったんだけど、せっかくの休日、と思うともったいなくて寝られそうにない(同居人はぐうぐう鼾をかいて寝てるが)。それにしても、自転車で近所の町に買い物に行って、8時前に夕食を食べて、くだらないドラマのDVDを観る、そんなありふれた休日を、もう何ヶ月も過ごしてなかったな。


でもまあ、いまは仕方がない。明日から仕事、ますますスピードアップしないと、終わらないよー。