お盆休み

今週月曜日から、会社がお盆休みになった。季節によっては(たとえば正月とか)会社のカレンダーどおりになんて全然休めないときもあるのだけれど、わたしの現在の仕事は、夏はわりと余裕がある。わたしはとても消化しきれないほどの代休・有休残をかかえているため、会社はとりあえず表面的かもしれないけど「休め休め」の大合唱。お言葉に甘えて今年もしっかりと会社のカレンダーどおり休暇をとっている。


とはいえ、同居人は今週もふつーどおりに出社し、数時間残業をし、わりとくらーい感じで疲れきって帰ってくるので、一人で旅行とか行くわけにもいかない。結果、バスや自転車で出歩ける範囲の「ご近所」で、家事をしたり買い物をしたりと、つかの間専業主婦みたいな日々を送ることになる。いやあ、ずうーっとこの生活が続く、と考えたらちょっとぞっとするけど、1週間くらいなら、ほんとにいいものです。部屋を片付けたり、お洗濯したり、お買い物に行ったり。さぞ読書が進むだろう、と思いきや、これが案外、進んでいないのだ。その理由は……。


ダイエット!なのだ。何度もトライしてはくじけ、またトライ&エラー、の繰り返しという情けないわたしのダイエット生活だけど、「何をやっても三日坊主」と同居人に馬鹿にされ、悔しくて、もう、今度こそ今度こその本気ダイエットに取り組むことにしたのだ。マンションのフィットネスルームで毎日30分自転車をこいで、週に2回以上はスポーツクラブに行く。そのために、これまで吉祥寺の駅近くのスポーツクラブで平日の夜だけ利用できるコースに入っていたんだけど、自宅の最寄りのスポーツクラブで、いつでも行けるコースに入り直した。先週体験レッスンを受けて入会し、日曜日と今日と、2日通ってみたんだけど……。


いやあ、楽しい。自分は高校時代、ものすごく一生懸命テニスをやっていたけれど、あれは「勝負事」が好きなのであって「体を動かすこと」そのものが好きなわけじゃないと思っていた。(関係ないけど、飲み会が好きなのも、お酒そのものが好きなんじゃなくて、お酒を飲みながら人と話すのが好き、ってのと似てる。)でもねー、新しいスポーツクラブの体験のときに勇気を出してプールに入ってみたら、なんというか、ぱしゃぱしゃやってるだけでも、ばあーんと心が解放されるっていうか、ああ、やっぱりスポーツっていいな、と思った。勝ち負けかかってなくても、誰かと一緒にやらなくても、スポーツっていいよ。今日はエアロビクスやアクアダンスに挑戦したんだけど、これが我ながらひどくて。いちばん入門のクラスで、年齢的にはかな〜り若い方だったんだけど(もしかしたら最年少かも)、おばあさまたちがリズムにあわせてそれなりに格好ついているのに、わたしときたらワンテンポどころかツーテンポくらい遅れるし、手と足をいっぺんに動かすのって難しいなあ、っていうレベル。エアロビクスなんて、20年以上前にイギリスの公民館でちょこっと受けたことがあるくらいで、まったくの初心者なんだから、やむを得ないとも言えるが、それにしても……。センスないのかも……と思ったりもするけど、でもまあ、目的はダイエットなんだから、楽しく通えて、ダイエットできたら、もう十分なんじゃないかな、と思うことにする。毎週金曜日のテニスは続けるし。


それで今日思ったのは、50近くなって、少し生活に余裕が出てきたときに、若い頃に好きだったものにやっぱり戻っていくものなのかもしれないな、ということ。うちは同居人ともども、仕事柄ってのもあるかもしれないけど、とにかく本好きで、家の中は本であふれ返ってるし、家でも本の話ばっかりしてる。食費以外の出費の大部分は書籍代なんじゃないかって思うくらい、服や小物は買わないくせに、二人とも本にはじゃんじゃんお金を使っちゃう。でも、最近になって、同居人がやたらと音楽CDやDVDを買ってくるようになった。アマゾンから届く荷物の半分くらいが、本以外のものに変わってきて、オーディオの機器みたいなのも買ってるみたいだ(わたしにはよくわからん)。ライブやコンサートにも年に数回行くようになった。おやおや、と思うけど、一方で、そういえば彼は若い頃、音楽が好きだったんよなー、と思い出した。30代、40代のときって、もう目の前の仕事や悩みで頭がいっぱいで、スポーツだの音楽だの、自分の好きだったものに時間やお金を使う余裕がなかった。それは、無理してあきらめてるっていうのとはちょっと違ってて、少なくともわたしの場合は、自然に心が離れてた、という感じだ。40代に入ってから、テニスのほかに着付けや英会話などのお稽古ごとをやったけど、テニス以外は続かなかった。テニスだって、仕事が忙しい時期は何ヶ月もお休みせざるを得なかったけど、でも、仕事が一段落したら、やっぱり一番に、テニスを再開しよう、って思った。中学高校の6年間、ほぼ毎日休みなく、2、3時間はテニスをしてたんだし、休日の過ごし方っていえば、テニス以外には何もなかったわけだし。「読書」と「テニス」がわたしの二大関心事っていうのは、少女の頃からまったく変わってなかった、ということだ。普通の会社員が「毎日テニスをする」環境ってのはとうてい望めないので、「毎日スポーツをする」くらいで代替することにしよう。


このような、自分以外の人にとってはどうでもいいことを長々と書いたのには一応理由がある。どうもここのところ、ブログの更新が滞りがちで、間があけばあくほど、書くことがおっくうになって、なんかへんだなー、自分のストレス発散のためにブログをはじめたのに、書くことがストレスになっちゃってるなー、と思っていた。それはやっぱり、「読んでくれている人」を意識してしまうからなんだと思う。ツイッターをはじめて時々どーでもいいようなことをつぶやくようになったら、ますますブログのほうはちゃんと書かなきゃ、みたいな気持ちになって、内容のないブログを書くのがいけないことのような気がしてきた、というのもある。でも、この間、ボランティアで手伝っている翻訳学校のブログの誤字・誤記を人から指摘されて、さらに、ここが読みにくいとかわかりにくいとかいろいろ言われて、もちろん、誤記については謝罪して修正したんだけど、そのときに、この「北烏山だより」っていうブログは、読みにくくても多少文が変でも誰にも文句は言われないし、自分が書きたいことを書きたいように書いていい場で、それってほんとにありがたいものなんだなーと実感したのだ。だから、高橋源一郎『ニッポンの小説』が読み終わりそうにないことも、評判の翻訳書がどうにも面白くないことも、全然気にしないで、スポーツクラブだろうがダイエットだろうが、いま自分が興味のあることを書かなきゃソンソン、と思っている。


それとねー、ほんとは時間があったらやらなくちゃいけない頼まれ仕事が、それも結構、大変な仕事が、目の前にあるんだよねー。うーん、このお盆休みがかきいれ時なんだから、がんばらないとなー。