目下の関心事

相変わらず読書・ブログ不調の日々が続いている。今日やっと高田里恵子の新書を読了。

女子・結婚・男選び―あるいは“選ばれ男子” (ちくま新書)

女子・結婚・男選び―あるいは“選ばれ男子” (ちくま新書)

とても面白かった。著者自身も気づいているように、話題となっている「女子」は少し世代が上で、イマドキの「女子」にはあまりピンとこないかもしれないなあ、という気はしたけど、私としては、そうそう、と思うことが多く、話題になっている文学作品も、未読のものは読んでみようかな、という気にさせられた。


高学歴女子の恋愛と結婚、という話題は、わたしも以前から興味があった。東大卒、となるとそれほどたくさん知り合いがいるわけではないが、それでも友人知人は皆結構な高学歴で、皆それぞれに恋愛、結婚で悩んだりつまづいたりしている。高田さんのこの本は、私より少し上の世代の女性の話が多いのだけれど、いまの二十代女性の状況と比較すると遠く隔たりがあってまさに隔世の感、という意味では、私もほぼ同世代、といってしまっていいような気もする。いまも仕事を続けている同世代女子は、医師や弁護士、教師、公務員などになった人が多くて、いわゆる一流企業に勤めた人は、ごく一部をのぞいてほとんど、結婚や出産のタイミングで仕事をやめ、その後はフルタイムの仕事に戻ってはいない。結婚相手は皆ことごとく一流大学卒のエリートで、当時女性たちは皆、当たり前のように仕事をやめて家庭に入った。もちろん、葛藤はあったはずだ。高校、大学では対等に切磋琢磨して、クン付けで呼んでいた男子のために、日夜家事に励むことになるのだから。でも当時の私たちを支えていたのは、高田さんも書いているように、「この尊敬に値する男子を、私は自ら選んだのだ」という思いだったような気がする。社会で活躍するこの人を支え、この人の子供を生み、幸せな家庭を築く。そのお返しにこの人は生涯変わらぬ愛情を私と子供たちに注ぎ、世の中の害悪から私を守ってくれる。そんな幻想を、多かれ少なかれ持っていたのではないか。いや、それを幻想と断定してしまってはいけないだろう。友人知人のほとんどが、その通りに幸福な中年を迎えているのだろうから。医師や弁護士、教師などになった友人も、ほとんどが子供を生んで母となり、持ち前の能力とバイタリティーをいかして見事に仕事と家事を両立させている。結婚相手は同業者が多く、家事を手伝う(担う、ではない)優しい夫は、彼女自身以上の高学歴、スーパーエリート。当時は「尊敬できる人」というのを結婚相手の条件にあげる女子がとても多かった。最近の二十代、三十代前半の女子に聞くと、「尊敬」というキーワードが出てくることはあまりなくて、替わってよく聞くのが、「安心できる人」という条件。私自身についていえば、うーん、やっぱり安心より尊敬だな〜、ということで、やはり私は古い人間なのでした。この件についてはもう少しいろいろ考えてみたいんだけど、今日のところはこれくらいで。なんかあまりうまく文章にならないので。


最近、ブログが書けなくなっている原因のひとつに、自宅リビングのパソコンの調子が悪い、ということがある。すぐにかたまったり、変な音をたてたりするし、キーボードのカチャカチャ音がすごくて、夜にパソコンを触っていると、同居人がうるさくて眠れない、と文句を言うのだ。自室にもパソコンはあるのだけれど、こちらは部屋のエアコンが壊れていて、暑くて部屋に入る気がしない、という問題点が。というわけで、今日はipadのタッチパネルから入力。かなり使いやすいが、やはりミスタッチは多くて、パソコン感覚とはだいぶ違っている。


などというのは、まあ言い訳で、読書やブログがイマイチ進まない一番の原因は、実はダイエットなんじゃないかなーと思っている。今月は会社の休みが多いということもあり、やたらとドメスティックな関心が高くなっている。毎日体重をはかり、毎晩カロリーに気をつけながら夕食を作り、暇に任せて週に二回ジムへ行き、テニスのレッスンも休まず、気が向いたら朝、エアロバイクを漕ぐ、という生活をしてみたら、ちゃんと体重が減ってきて、体の調子もよくて、そうなると欲が出てきて、もうしばらくこういう生活を続けて、念願のダイエットを成功させようではないか! という気分が盛り上がっている。だんだん年もとってきたし、これからは健康的かつ文化的な生活を送りたい、と思うわけだけど、健康的と文化的の両立が、どうやら私の場合うまくできないらしく、ダイエットを頑張りすぎた結果、読書が疎かになってしまった、ということ。情けないね〜。


先日会社の先輩が、北方謙三の「楊令伝」の文庫が完結したよーと教えてくれたので、そうだ、読書不調を吹き飛ばすにはこういう本がいいのかも、と思い、久々に久我山エキナカ書店へ行った。とりあえず、1巻、2巻を購入。さらに、仕事気分80パーセントの新書を購入。鞄の中のコンラッド「闇の奥」は、またしばらく開かれないまま鞄の底でじっとしててもらうことになりそうだ。