生涯初のひとり酒(?)

今日は猛烈に忙しかった。
朝から5冊セット単行本の日程調整でかけまわり、クミアイの問い合わせを受け、
1200ページのゲラを3部コピーをとり、4種類の手紙を書き、
メールチェック、契約書確認、定価計算、合間にまたクミアイ、
連休の会議の相談の電話、巨大な宅急便の荷物作り、お客さんの対応……
あっという間に18時を過ぎ、クミアイの仕事に出かけなくてはいけない時間。


連休中の会議の資料を持って、クミアイ仕事の会場へ。
クミアイばりばりのおねえさま方に混じって、ひとりだけシロウトがまぎれこんでしまってる感じは否めない。
それでも資料の整理くらいは、分科会の司会くらいはやらなくてはと、
自分でもできそうなことを選んで引き受ける。
おねえさま方は当然ながら政治情勢にも、法律関係にも強い。
今度の総選挙の結果、「はたらく女性」をとりまく環境がどう変わっていくのか、
議論がくりひろげられる。
ふわあ、すごいなあ、と感心して聞いているのだけれど、
感心の「ふわあ」が、だんだん、ねむたい「ふわあ」に変わっていって、
でも、寝ちゃいけないと必死にこらえる。あくびをかみころし、どぎまぎする。
何の役にもたってないシロウトが、あくびをするなんてとんでもないのだ。
2時間強の会議を耐えて、疲れ切って御茶ノ水駅へ向かう。


御茶ノ水はなつかしい町だ。学生時代の恋人が、御茶ノ水の大学に通っていたので、
このあたりの居酒屋や喫茶店にはよく出入りしていたのだ。
今日、明日と同居人が不在なので、御茶ノ水で何か食べて帰ろうかと思ったのだけれど、
学生時代に入ったような安酒場に一人で入る勇気はなく、
すごすごと駅へ向かった。
結局、ホームグラウンドの吉祥寺まで帰ってきて、時々行く駅地下の中華料理店に入った。
なんとなく飲みたい気分になって、カルピスサワーとつけ麺と餃子を注文した。
カルピスサワーを飲んでいる途中で、ふと、気づいた。
これって、もしかして、わたしの生涯初のひとり酒じゃないかしら??


一人暮らしだった時期も結構あるのに、これまで一人で外食するときに、アルコールを注文したことはなかった。
たぶん、自宅でひとりでお酒を飲んだこともないように思うので、
うわあ、もったいない。生涯初のひとり酒なのに、ずいぶん安っぽいところで、お子さまチックなお酒を飲んでしまった。
ちょっと赤い顔をして吉祥寺からバスに乗った。
自転車がパンクしてしまって久我山駅までのアシがないのだ。
11時すぎに帰宅。
同居人が冷蔵庫に冷やしている「ただの水」を飲みながら、
はたしてほんとうに、これまで一人で外でお酒を飲んだことがないか、思い出してみる。
若い頃は一人で外で夕食をとるということは、ほとんどなかった。
夜、ひとりでお店に入るのは、ちょっと怖いような気がしたのだ(うぶだったわ……)
最近は図々しくなって、夜でも一人でどんなお店だって入れちゃうけど、
でもなんとなく居酒屋は入りにくくて、ファミレスやイタリアン、中華料理店を選び、
飲み物といえば食後のコーヒーぐらいをいただいて、そそくさと帰ってくるというのが定番だ。
出張先でも、ホテルに戻ると疲れ切っていて出かける気にならないので、
コンビニでおにぎり買ったり、ホテルの1Fに入っているラーメンや屋に入ったり、というのが常だった。


ほんとうは、同居人が時々連れていってくれる新宿のバーみたいなところで、
一人静かにお酒飲んでる女の人とか、かっこいいなあ、とか思うんだけどね〜。
それはもう、ハードルが高すぎるんだなあ。
やっぱり近所の中華料理店でカルピスサワーってくらいがお似合いか……くすん。


さて、それでは、連休中の会議に備え、持ち帰った会議資料の束と格闘することにしよう。
久しぶりに、妹がよくつくってくれた、味の濃いミルクティーでもいれようか。