大阪・京都で亀山訳『罪と罰』を読む

今週はお盆休み。
その前の一週間は、新プロジェクトのメンバー決定のため、毎日のように外出。
来月校了の単行本の著者校準備も重なり、ひさしぶりに残業続きの忙しい日々を過ごした。
でも、このような忙しさなら大歓迎なのだ。
どちらも、少なくとも今のところは、人間関係のおかしなストレスがなくて、
100パーセントとはいわないまでも、かなりの純度で、
「いい本をつくる」という目標に向けて、自分の時間やパワーを傾注することができる。
いっしょに仕事をする人たちは、直接仕事に関係のあることはもちろんだけれど、
それ以外のいわゆる無駄話を、いつまでもいつまでもしていたいと思うような人たちばかり。
お調子者のわたしは、自分の上機嫌を隠すことができなくて、
家で食事の支度や後片付けをしていても、「タラッタラッタラッタ〜♪」と自作の鼻歌が飛び出すのを止められず、
「なんか、すごく楽しそうだね……」と同居人からうらめしげに指摘されるのだった。


それはともかく、週末の8日から、法事やら出張やらで、関西方面に来ている。
法事が9日に、出張が11日に入っているので、今日10日だけが自由行動日。
せっかくだから「そうだ、京都に行こう」と思い立ち、京都に宿をとった。
お天気が不安定なので、自力で移動は難しいと思い、
定期観光バスを予約する。
同じように考える人が多いのか、バス乗り場はすごい混雑。
でも、わたしが予約した「京の夏の旅 巨匠・造園家の足跡をたずねて」というコースは、
まわるところがマイナーなせいか、全員で15名とわりとすいていた。
で、大正解。
まず、雨がふったりやんだりだったんだけど、バスで目的地まで行くからあまり傘をさすストレスがない。
さらに庭園をめぐるというテーマのコースなので、建物の中から雨にぬれてしっとりとした庭をめでることができて、
悪天候がかえって幸いした、という印象。
お昼の京料理も、ちょっと量が少なかったけど大変おいしく、ダイエットには最適だったし、
大満足で京都駅へ戻ってきた。京都の一人旅には、定期観光バス、それも、「京の夏の旅」シリーズが、ぜったいおすすめ!なのだ。
(できることなら今夏のうちに、もうひとつのコース「京町家に見るエコなくらし」ってのにも、参加してみたいものだ。)


さて、調子がいいときは何もかもがうまくまわる。
以前、出張のときに泊まったホテルに、今回もチェックイン。
地下鉄の駅から近く、となりにこじゃれたカフェがあり、庭園風呂がついている。
シングル朝食付で7500円。それが、「ホテルの都合で」ツインのシングル利用に。
広々とした部屋でしばらくのんびりしてから、ホテルとなりのカフェで、おいしくヘルシーな夕食。
すぐ近くにある書店(これがなかなか充実している。さすが京都だ)をぶらぶらして、
単行本1冊、文庫本1冊を購入。
今読んでいる『罪と罰』がもう3巻半ばなので、帰りの新幹線用、である。


亀山訳『罪と罰』は、8日の新幹線の中で読み始めた。大阪のホテルで豪快な母のいびきをBGMに読み進め、残りあと少し。
感想は読了後に書くつもりだけれど、今のところの印象は、うーん、たしかにおもしろい。
おもしろいけれど、なんていうか、ちょっと大味?? やっぱり、読書適齢期があるのかもしれない、という気もしている。
そういえば、うちの母は、村上春樹『1Q84』を読み終えて、「おもしろかったけど、文学作品って感じはしないわねえ」という感想をもらしていた。
「どうしてそんなに多くの人が読みたがるのか、わからないわ」とも。
母から借りて読書中の父は、「1984年という年は……」とやたら解説モードになっており、
人気の秘密はこのあたりにあるのかも、と思った。
1984年か。わたしは20歳だった。(それが人生で最も美しい時だとは、だれにも言わせない、ってか?)


なんだか話があちこちするけど、『罪と罰』がおもしろい小説だってことは間違いなく、
これから庭園風呂に入って、楽しい楽しい読書の時間!!
たぶん、今夜中に読み終わるでしょう……。