銀座書店めぐり
土曜日の午後、仕事がらみで銀座の教文館へ。
教文館内のナルニア国という児童書専門コーナーに行く。
この日は6時に実家の両親と銀座で食事をする約束をしており、
3時間ほど暇ができてしまった。
近くの喫茶店で遅い昼食をとり、時間つぶしのために福家書店へ向かった。
ところが福家書店の前は、ものすごい人だかり。
なんとかという俳優の握手会が催されており、「イベント終了まで2Fは入れません」とのこと。
入り口に立ちふさがっていたちょっと疲れた感じの若いおねえさんに、
「イベント終了って何時ごろですか?」
と聞いたら、「さあ、わかりません」とにべもない返事。
こりゃだめだ、と思い、途中で見かけた「ブックファースト」へ向かう。
「ブックファースト」に入ったら、なんだかやっと居場所をみつけたという感じでほっとする。
銀座なんてめったにこないので、なんとなく落ち着かなかったところへ、
書店とはいえ、ナルニア国は児童書専門店、福家書店は若い子向けのイベント開催中ということで、
自分にはなじみのない空気をずっと吸っている感じだったのだ。
(仕事の関係で児童書にはずいぶん詳しくなったはずなのだけれど、
児童書専門店の独特の「正しくやさしい」雰囲気が、やっぱりダメだったみたいだ。
ただ、先日なくなった石井桃子さん追悼のコーナーの前に立ったときは、
おごそかな、しんとした気持ちになったからふしぎ。)
「ブックファースト」で2時間近くうろうろし、文芸書から新書・文庫まで、
雑誌以外のコーナーはひととおりながめて過ごす。
児玉清のエッセイを立ち読みしていたら、お嬢さんが30代半ばで胃癌で亡くなったという記述があって、
妹のことを思い出して立ち読みしながら涙、涙。
これはまずいと思って、あわてて購入。
- 作者: 児玉清
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勝間さんの新刊『インディペンデントな生き方』などを冷やかしてから、
(インディペンデントな女性になるには、年収600万をキープし、
パートナーは年収1千万以上の男を選ぶべきだそうな。ひええ。)
新潮クレストブックスの新刊で、ウィリアム・トレヴァーの短編集を買った。
ちらちらとながめた感じでは、なかなかおもしろそうだし、
翻訳も中野恵津子さんだから安心。
ちょっと短編気分じゃないんだけどなあ……と思いつつ、同居人と待ち合わせをしている福家書店へ向かった。
さすがにもう、イベントは終わっているだろうと思ったのだけれど、
2Fは片付け中とかで1Fしか入れない。
ふふふ、そんなこともあろうかと、さっき「ブックファースト」で、雑誌のコーナーはわざと見なかったのだ!
自分の用意周到さに酔いしれつつ、雑誌コーナーに立った瞬間、
「考える人」の赤い表紙が目に飛び込んできた。
おおーっ。これがあの待ちに待った「海外長編小説特集号」だあ!
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「これ、買ったよお」と「考える人」を見せびらかしつつ、福家書店を出た。
「考える人」の感想は、後日。
この雑誌を読んだ人の9割は、自分のベスト10を考えるんじゃないかと思うのだけれど、
わたしもごたぶんにもれず、だれに頼まれたわけでもないのに、
「わたしの海外長編小説ベスト10」を考えていたら眠れなくなった。
最後に載っているオハンロンの「コンゴ・ジャーニー」は週末のお楽しみでまだとってある。
日曜日、月曜日と、公私ともに人と会う機会が多かったのだけれど、
どれもとても楽しくて、とりわけ仕事がらみのほうは、
なんだかとっても前向きな気持ちになって帰宅して、
同居人から「ずいぶんご機嫌だね」と言われるくらい絶好調だった。
ところが今日は、………と、愚痴になるのでここでやめよう。
オハンロンを読み始めたら、少しは気分転換になるかな?