「みやびブックレット」をよむ

ネット散歩をしていて「みやびブックレット」というリトル・マガジンの存在を知り、興味をひかれて定期購読を申し込む。

http://www.miyabi-sp.biz-web.jp/sub3.htm

定価210円、50ページほどの小冊子だけれど、執筆陣の充実ぶりと、なんというか、志の高さのようなものにひかれたからだ。
昨日、「創刊準備号」(2004年11月)と「最新号」(2007年11月)が届き、早速、目を通す。


まずは「最新号」のほうから。
特集「あなたのモデルはだれですか?」の紀田順一郎の記事「偉人伝の終焉と再生」がおもしろかった。
たしかに最近の子どもは、私が子どもだった頃にくらべて「伝記」を読む機会が少ないようだ。
紀田さんが書いているように、わたしが子どもの頃は小学校の図書館にずらりと伝記が並んでおり、
本好きの子どもはそれを端から読破していたように思う。
(そういえば小学生のころって、「端から読破」が基本だったなあ。受験など無縁だったので、時間がありあまっていたのだろう)
印象に残っているのは、やっぱりキューリー夫人、ナイチンゲール、ベートーベン、ザメンホフ、あたりか。
当時は子ども向けの世界文学全集も全盛で、世界文学の名作を読み、世界の偉人伝を読み、
自分がこれから出ていくであろう広い世界に、夢を描いていたように思う。
仕事柄、今の子どもたちとっては、だれが「偉人」になり得るのだろうと考える。
イチロー? やわらちゃん? スポーツ選手ばかり思いついてしまうのはなぜだろう。
そういえば手塚治虫をとりあげていた教科書があったな。漫画家、か。
……というわけで、あれこれと考えさせられた特集だった。


「連載」のほうは、長尾宏の「カメラと歩く東京の下町」が、写真も含めてとてもよかった。
竹田青嗣の「時代を読み解く哲学者のキーワード」は、おもしろそうだけれど、ちょっと手ごわそうなので未読。
それから、山口仲美のエッセイが軽いノリでよかった。
全体に「もっと読みたい」というところで止められる感じ(言い方を変えればちょっと食い足りない)なので、
次号を楽しみに待とう。


「創刊準備号」のほうは、文字通り「準備号」なので、「50代からドラマは始まる」というタイトルのもと、
おおっと思うような人々が、ほんとうに短いコメントを載せている。
わたしはまだ40代前半なので、そうか、この雑誌は50代の専門誌なのね、と思ってしまうとはじかれてしまうのだが、
いずれおとずれる50歳に向けて、頭と心の準備をする、と考えれば、まあ、いいのかな。


などと書いているうちに、7時、同居人が起きてきた。
早起き5日目に突入。これからジョギング。
もう少し書きたいけれど、とりあえず、ここまでで。