小鷹信光・若島正 異色対談
今日、青山ブックセンターで開かれた、小鷹信光・若島正 異色対談、というのに行ってきた。
若島さんのお話は、何度か聞いたことがあるのだけれど、小鷹さんは初めて。
何ともいえない、不思議な空気の漂う対談だった。
二人の話がかみあっているような、かみあっていないような、
話題があちこち飛ぶんだけど、なんとなく同じ方向を向いている、という感じ。
1970年代に小鷹さんが「ミステリ・マガジン」に連載していて、
若島さんが熱心に読んでいたという記事「新パパイラスの船」(←不正確)の話がとても興味深くて、
「ああ、読んでみたいなあ」と思いながら聞いていたら、
対談の最後に、実はこれが単行本化の計画があるとの発言。うれしい限り。
スタージョンの短編集の話もあって、今まで晶文社で出ていたのが、今度河出から出るらしい。
その中に、小鷹さんの翻訳も入っているとかで、ひとしきりスタージョンの話で盛り上がっていた。
実は、わたしはスタージョンの短篇を1本、訳している。
角川文庫の『ヴァンパイア・コレクション』というアンソロジーの中の、「闇の間近で」という作品。
アンソロジーのおそろしさ、なんと、伊藤典夫訳のブラッドベリのすぐ後、という畏れ多い位置に。
聞いている間はすごくおもしろいかったのだけれど、
後で思い出してみると、全体としてどんな話だったのか、ほとんど記憶に残っていない、
「細部」で勝負、みたいな対談だった。
小鷹さんも若島さんも、何だか子どもみたいで、相手が自分の知らない面白そうなことを言うと、
「えっ、それ、何?何?」って感じで、対談というより、とりとめのないおしゃべり。
でも、会場の人たちもみんな、それを楽しんでいたと思う。
対談終了後、恒例のサイン会。
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キプリングも読了したことだし、次はこのアンソロジーを読もうかな。
と思いながらも、帰りの電車の中で読み始めたのは、
アマゾンで購入した阿部公彦『英詩のわかり方』。
「あらゆる詩は外国語で書かれている」という序章から、
第1章「英詩は嬉しい」……第5章「なぜ英詩は偉そうに決めつけるのか」まで、
人を小馬鹿にしたような章タイトルがずらりと並ぶ。
かなりやさしくかみくだいて説明しているけれども、内容は本格的。
まだ途中なので、最後まで読んだらあらためて感想を。
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