古典新訳文庫『猫とともに去りぬ』

古典新訳文庫で『カラマーゾフの兄弟』を読み始めたら、あまりにおもしろく、
これでは1巻を読み終えたらとても続刊を待ちきれず、
他の翻訳で読むことになってしまいそう……と判断。
これについては全巻完結したところで、一気に読むことにする。

で、本邦初訳のロダーリ『猫とともに去りぬ』を読了。

猫とともに去りぬ (光文社古典新訳文庫)

猫とともに去りぬ (光文社古典新訳文庫)

正直なところ、ちょっと気が合わないというか、うーん、いまひとつ、という感じ。
もともと、「短編集」「ファンタジー」じたいがあまり好きではないので、
翻訳もうまいと思うし、内容も悪くないのだけれど、
どうも作品の世界に入り込めず、薄さのわりにてこずった。


ただ、解説を読んで、『ファンタジーの文法』という本は読んでみようかな、と思った。
この人の教育観・子ども観は、甘ったるいものじゃないな、という気がしたので。


  子どもたちが、笑いながら学べるものを、泣きながら勉強することに意義があるだろうか?
  (中略)
  間違いというものは、パンと同じように、なくてはならず、役に立つものであり、
  大方が素晴らしいものである。
  その代表的な例が、ピサの斜塔だ。
               (「解説」で引用されている『まちがいの本』序文より)


「間違うことの素晴らしさ」みたいなことを言う教育者は多いけれど、
本気で言ってるのかよ、と思うことが結構ある。
でも、ピサの斜塔を代表選手にあげられてしまうと、
なるほど、おそれいりました、という感じだ。


次は順番からいくとカント。
でも、だいぶ話題になっているようなので、おくれをとらないうちに(もうとってるかもしれないけど)
テヘランでロリータを読む』を読もうかな。