誤記・誤用のこと

先日このブログで、誤記・誤植のことなど書いたものだから、
きっと誰かからつっこまれるだろうな、と思っていたら案の定、
近所に住む某有名翻訳家から、「妹さんの息子から見たらあなたは(叔母ではなく)伯母では?」というメールをいただいた。
うわ、そのとおり。
わたしはなぜか、長いこと、父方の兄弟姉妹は伯父・伯母、母方の兄弟姉妹は叔父・叔母だと信じ切っていて、
数年前におじおばがたくさん出てくるノンフィクションを訳したときに、
あらためて調べてみて自分の間違いに気づき、愕然としたのだ。
以来、注意しているつもりなのだけれど、このときはうっかりしました。
はい。謹んで訂正いたします。


それから、別の方から、「売れない編集者」という言い方について、同居人がコメントをいただいたらしい。
「売れない編集者」というのは、「売れない(本をつくる)編集者」って意味なんだけど、
たしかに、この略し方はおかしいような気がする。「売れない画家」「売れない歌手」はいいような気がするのに、
なぜ、売れない編集者は変なのかな。
「売れっ子作家」「売れっ子歌手」はあるけど、「売れっ子編集者」はないよね?
うーん……。ま、意味が通じればいいじゃないか、と思うんだけど、ね。
ちなみにわたしはこの「売れない編集者」というカテゴリーが結構気に入っていて、
このままいくと同居人ともども「売れない道」を突っ走ることになりそうな気配だ……まずい。


というわけで、このブログは誤記・誤用だらけだし、たいした内容もないし、
何より自分のストレス発散用に書いているので、わたしの浅はかな感じがストレートに出ていて、
情けないかぎり。
それでも読んでくださっている方がいるというのは、ありがたいことだ。
でも、あまり読者を意識してしまうと、自分のストレス発散にならないので、
今日はひとつ当初の目的に立ちもどって、個人的な愚痴を書こうと思う。


昨年夏に担当がえがあってから、わたしに説教や指図をする人がいなくなり、心の平安が保たれる日々が続いていた。
が、今日、ひさしぶりにかちんとくることがあった。
以前、「上司は思いつきでものを言う」というようなタイトルの橋本治の本を読んだけれど、
まさにそのとおり。本人は「先輩からのちょっとしたアドバイス」くらいの気持ちなんだろうけど、
もう何ヶ月も、その仕事に真剣に取り組んできているわたしたちからすれば、
空気が読めず、思いつきでものを言っているとしか思えない。
別に反論するような場でもなかったので聞き流した。
まあ、今は直接の上司でもないので、忘れてしまえばいいのだけれど……。


たぶん他の人は、わたしほど強く拒否反応を起こしていないと思う。
ここで時々書いてるけど、わたしはたぶん極端に、上からものを言われるのがきらいなのだ。
「○○しろ」「○○しなさい」はもちろんのこと、
「○○するといいよ」「○○してみたら?」というようなアドバイススタイルでも、
多くの場合、かちんときて、わざと逆のことをしてみたりするあまのじゃく。
考えてみると同居人がわたしに向かって、こういうアドバイスをすることはめったにない。
だから、たとえば、「早起きしろ」「早起きするといいよ」は、「早く起きられるはずないよね」に、
「ウォーキングで痩せなさい」「ウォーキングを始めてみたら?」は、
「ウォーキングとか言って、どうせ3日と続かないよ」に変換される、というわけだ。
つまり、うまいこと操られてるってことか……。
ともあれ、えらそーに話す上司ほど耐えられないものはない。
枕草子の「にくきもの」に、加えてもらいたいくらい。