ラッシュライフ

ラッシュライフ (新潮文庫)

ラッシュライフ (新潮文庫)

ピンチョンに挑戦する前のちょっとした息抜き。
それなりに楽しめたけれど、評判ほどかなあ、という感じ。
でも、ミステリファンが口をそろえてほめそやしているから、
きっとファンにはこたえられないくらい、しかけが巧妙なんだろう。
それにしても、池上冬樹の解説でフォークナーになぞらえているのはほめすぎ??
路線としては、天童荒太とかと同じような印象。
もう少し文芸色が強いかと思ったのだけれど。


翻訳学校に通い始めたころ(ああ、もう10年以上前!)、
専門分野がないと不利、新人はミステリから入る人が多い、
と聞かされて、「ミステリファンになる!」などと口走り、
ほんとうにミステリ好きの仲間のひんしゅくを買ったことがあった。
そのころから変わらないことなのだけれど、どうも、ミステリなどのエンタテインメント小説の良さが、
いまひとつわかっていない。
もちろん、エンタテインメント小説だって、それなりにたくさん読んできたし、
いったん読み始めたら会社をさぼりたくなるくらい(実行したことももちろんアリ)夢中になることもあるのだけれど。