2022年読了本ベスト5

ものすごく久しぶりに、読了本ベスト5をアップしようと思う。今年はいつもよりたくさん本を読んだ、というわけでもないのだけれど、読んだ本は大部分が「当たり」だったという幸運な年。そんな中でも何冊か、「マイ・オールタイム・ベスト」になりそうな本と出会えた。そんな中から厳選した5冊。順不同。

 

1 川本直『ジュリアン・バトラー真実の生涯』

『ジュリアン・バトラー』は青春小説であり恋愛小説であり中高年小説の傑作だと思いました。私自身が中高年ですので、二人が少しずつ老いていく描写が切なく、いちばん感動して読みました。小説(フィクション)を読む醍醐味を味わわせてくれた、自分にとって大切な本です。(読了時のツイッターより)

 

2 奈倉有里『夕暮れに夜明けの歌を』

奈倉有里『夕暮れに夜明けの歌を』というエッセイ集。文章が美しくて、人物が生き生きと描かれていて、自分もその場にいたんじゃないかと思うようなリアリティがある。わたしはエレーナ先生が大好きになり、わたしももう一度語学を真剣に勉強してみたい、という気になり、そして自分が年をとりすぎていることを思い出して少しだけがっかりする。(読み始めたときのブログ投稿より)

 

3 ウィリアムズ『小さなことばたちの辞書』(最所篤子訳)

読了。深夜、ラスト数十ページは寝ている同居人を起こさないように必死で嗚咽をこらえながら読んだ。この小説は私に読まれるためにやってきた、と久しぶりに、本当に久しぶりに思った。関係者全員にお礼を言ってまわりたいくらいだ。とりあえず、勝手に「同志」だと思っている訳者に、賞賛と拍手を。(読了時のツイッターより)

 

4 日暮雅通シャーロック・ホームズ・バイブル』

最後まで読んでみてわかるのは、著者が膨大な知識をただ垂れ流しすにではなく、かなり意識的に整理・構成して、周到に章立てを決め、「バイブル」=基本図書を書こうとしたのだろうということ。そういう意味ではかなり計算された「バイブル」であるのは間違いない。だけれども、その計算の背後にあるのが、ホームズ物語とシャーロッキアンの世界への深ーく広ーい愛!だからこそ、ごくたまに、計算から外れて、著者自身の意見(時に批判)が表明されている箇所があると、「おお、ちょっとムキになってる!」という感じがして、なんだかほっこりするのだ。(読了時のツイッターより)

 

5 山本文緒無人島のふたり』

先日、山本文緒無人島のふたり』を読了。同じ病気で同じような経緯で世を去った妹のことを否が応でも思い出してしまう。妹も病気が見つかったときはすでにステージ4だった。(中略)大きなことも、小さなことも、あとで読み返したり、思い出したりできるように。山本さんが『無人島のふたり』(ああ、なんていいタイトルなんだろう)を書き残したように。(読了時のブログより)

 

以上5冊!

読書体験としては、なんと恵まれた、幸福な一年だったことか。こうやって自分の過去のツイッターやブログ記事をうつしていると、大きな感動や興奮を伝えるのに自分の言葉があまりに拙く、情けなくなってくる。まあそれでも、自分の言葉で感想を記しておくことが大事かな、と思っているので、とりあえずこれからもブログやツイッターを書いていこう。細々とでも。

 

というわけで、かなーりさぼり気味のブログ「北烏山だより」ですが、来年こそはもう少し更新を! 読んでくださった方、ありがとうございました。来年もよろしくお願いします。