世界文学のことなど

この数年すっかりブログがおろそかになっている、その一番の原因がツイッター。自分の個人アカウントのほか、会社の部署単位のアカウントの中の人もひとりで担当しているため、どちらもそんなに頻繁につぶやいているわけでもないんだけど、リツイートやらいいねやらといろいろあるのでそれなりに時間をとられている。


それで、その会社のほうのアカウントで、4月に出る予定の世界文学関連の本の表紙と帯の画像を載せてつぶやいたところ、これが今までにない、びっくりするような大反響。現時点でリツイートが200件近く、いいねが450件を超えている、という。いや、ほかの会社だったらそんな驚く数字じゃないかもしれないんだけど、わたしが細々と続けていたこのアカウントとしては、前代未聞のすごい数字だったわけで。


なんかね、商売関係なく(いや、全く関係なくというわけでもないか)、ただもう、嬉しくて。世界文学の図鑑が出る、この人の翻訳で、この人が監修で、この人とこの人がこんな帯の推薦文書いてます、ってだけの情報を見て、文字通り、お、いいね、って思ってくれた人が、500人近くもいる、ってことだから。それと、この本はとても幸福な本だなあ、と思うのは、同業他社と喧嘩しない企画だ、ってこと。つまり、新潮とか早川とか河出とか光文社とか、わたしが出版社に就職する前からずっと、仕事とは関係なく愛読してきた出版社の本がたくさん紹介されていて、そのことはその出版社にとって、絶対にマイナスにはならないと思うから。子供の頃から大好きだった、『ロビンソン・クルーソー』とか『三銃士』とかも紹介されていて、なんていうか、うまく言えないんだけど、子供の頃からのそういうすばらしい体験に対して、少しだけ恩返しができてるような気がする。


ま、感傷的といえばそうなんだけど。でも、シェイクスピアシャーロック・ホームズ、そしてこの世界文学と、立て続けに出すことになるこの3冊は、個人的にはほんとうに思い入れが深くて、この3冊の編集が終わったら、燃え尽きてしまって何もやる気がなくなるんじゃないか、と心配していたくらい(それはまったく杞憂だということがわかったけど)。


燃え尽きてる暇などなく、この週末は今月末に校了予定の本の索引をつくったり、来年秋に刊行予定の本の準備のために図書館へ行ったりと、相変わらず慌ただしく過ごしている。唯一休日らしい行動は、同居人といっしょに吉祥寺のロフトに行って、お茶碗とお椀とスープ皿を買ったこと。ふつうの白いご飯と豆腐とわかめの味噌汁なんだけど、新しいお茶碗とお椀によそってみたら、なんだかとっても美味しそう。ささやかな幸福を味わった。


あとはもちろんいつものようにジュンク堂にも行って、仕事がらみの本も含めて3冊購入。そのうちの1冊が、『地球の歩きかた2017ロンドン』。そう、今年も自腹でロンドンのブックフェアに参加することにしてしまったのだ。ちょうどロンドン往復分くらいのマイルがたまったので。。。3月11日〜3月17日の5泊7日、ブックフェアは1日だけ参加して、あと1日ロンドンの出版社を訪問する予定が入っているけれど、あとはずっとフリータイム。今回は、コッツウォルズをめぐる日本語のバスツアーと、お芝居をふたつ(「夜中に犬に起きた奇妙な事件」「夜の訪問者」)予約してる。あと、できればオースティンゆかりの地、ウィンチェスターとチョウトンに行ってみたい。それから、2度も店の前まで行ったにもかかわらず、勇気がなくて入れなかった「シャーロック・ホームズ・パブ」。いい年して情けないのだけれど、居酒屋などお酒を出す店は日本国内でも一人では入りづらいのだ。まして海外で、となるとハードルはあがり、さらにロンドンの「シャーロック・ホームズ・パブ」は、アジア人の女性が一人でずんずん入っていける雰囲気ではない(とわたしは思う)。


今回は初めて、ノッティングヒルにホテルをとってみた。歩いて数分の距離に本屋さんが2件(新刊書店と中古書店)あるというのが魅力。これまで、ロンドンのいろいろなホテルに泊まってきたけど、まだ「常宿にしよう」と思えるホテルと出会ってない。どのホテルもとても気に入って、大満足で、星で評価するならどれも満点、なんだけど、どこも値段が高いんだよね。ただでさえロンドンのホテルは高いのに、一人だからかなり割高。でも若いときと違ってとりあえず寝られれば安宿でOK、っていう気にもならず、結果的にそこそこいいお値段の部屋に泊まってた、ということがある。でも今回は、そんなに高くないので、ここが気に入ったら、常宿にしようって思えるかも。


と、どうでもいいようなことをぐだぐだ書いているうちに、気づいたら12時過ぎてた。『バッド・フェミニスト』を読みながら、眠りにつくことにしよう。