仕事はじめ

今日から会社。社長の新年挨拶は、各編集部門への気配りなのか、全部門に言及していたのだけれど、私が所属する単行本セクションについては、あまり力が入ってないのが明白で、でも「ヒットは期待しています」と付け足しのように言っていた。家に帰って同居人に、「なんか会社から期待されてないって感じがしたなあ」とぼやいたら、同居人はそういう位置こそベストなんだ、と言う。主力商品を作っていたら、社長以下周囲の目が厳しくて不自由だけれど、非主流派だと注目されていない分、自由にやりたいことができる、というのが同居人の論。そんなものかな。


ともあれ、会社から期待されようとされまいと、仕事は次々押し寄せる。今日は最後の修正のチャンスで、ほぼ間違いはない、と思っていたはずなのに、アルシア=マルケス、なんていう記述が見付かっちゃって、ひゃあああ、となった。刊行前に見つけた大誤植の一つに、教師用指導書のタイトル、というのがある。言わずと知れた森鷗外の名作のタイトルが、なぜか大きな文字で、「歌姫」となっていたのだ。現在の会社に入る前の、編集プロダクション時代のことだ。このときも、見つけたときは、ひゃあああ、となった。誤植はこわい。何度見返しても、「これでもうバッチリOK!」となることはないのだけれど、それでもあと3日、連休明けまで延ばしてもらえませんか、と最後の悪あがきをしている。


明日の会議にそなえて、世界文学の名作(おもに短編)を読んでいる。もともとわたしは長編好きで、短編はあまり得意じゃない。短編は、この作家はうまいなあ、とか、これはこういうテーマの作品なんだな、とか、冷静に客観的に読むことはできるのだけれど、なんていうか、勉強しているみたいだ。明日の会議のメンバーは、ほんとうに頭の切れる方ばかりなので、選んでいる作品もわたしには難しすぎるように思う。一編ずつ、落ち着いてじっくり読めば、じんわりと面白さがわかってくるのかもしれない。あるいは、細切れの短編を読むという作業に慣れてくれば、作品世界に入り込むことができるかもしれない。


明朝は記念すべき早朝テニス復活初日だ。バックハンドはおろか、フォアハンドや得意のスマッシュも、思うようにできないだろうな。張り切りすぎて転んだりしないように気をつけなくては。なので、今日はもう寝ます!