近況報告

またしても一ヶ月、ブログの更新をさぼってしまった。この間の読了本はわずか3冊。

頭の悪い日本語 (新潮新書)

頭の悪い日本語 (新潮新書)

新装版 真夜中の相棒 (文春文庫)

新装版 真夜中の相棒 (文春文庫)

この世界の女たち アン・ビーティ短篇傑作選

この世界の女たち アン・ビーティ短篇傑作選

『頭の悪い日本語』は、どなたかがツイッターでつぶやいていたけれども、比較的「小谷野度」(ってすごい造語)が低い著書。とはいっても、一般的な日本語の誤用指摘本よりははるかに、著者の見解が前面に出ていておもしろい。「頭の悪い」とされた日本語の中には、必ずしも誤用ではないものも含まれていて、あー、たしかに使っちゃってるよ、と思うこともしばしば。こうしてブログやツイッターを書いていても、「頭の悪い」文章を書き散らしちゃってるなあ、と情けない気分にもなる。が、まあ、これらは趣味で書いているのだから、神経質になる必要もないだろう。仕事でメールや手紙を書く際に、著者の方々から「頭悪い」「気持ち悪い」と思われないように注意しようっと。


『真夜中の相棒』はツイッターで話題になっていたので買ってみた。初読。読んでいる間はとてもおもしろくて、どんどん読み進められたんだけど、案外印象に残っていない。映画かテレビドラマをみているようで(実際映画化されたらしいが)、描写は翻訳も含めとてもいいのだろうけれど、結局のところ、男たちの愛憎、ノワール、といった世界に、私自身がいまひとつのれないというのが、モヤモヤした感想になってしまう原因だろう。


最後のアン・ビーティは、結構読み進めるのがつらかった。出てくる女たちがことごとく不機嫌で、生きていくことが辛そうで、読んでいるこちらがつらくなるくらいだから、やはり小説そのものも翻訳もうまいのだろう。アン・ビーティの名前は久々に目にしたように思う。レイモンド・カーヴァーやアン・ビーティって、やっぱり80年代のアメリカの匂いがぷんぷんする。この短篇集には比較的最近書かれたものも含まれていたけれども、そういう作品もなんとなく、80年代っぽい。考えてみれば当時英文科の学生だったわたしは、アメリカよりイギリス、短篇より長篇が好みで、ミニマリズムっていまひとつぴんとこなかったんだよね。


さて、次は何を読もうかな。がつんと重厚な長篇小説がいいんじゃないかねえ。今週末は同居人が出張でいないので、家で本を読んだり、仕事で必要な本屋めぐりをしたりと、のんびり過ごす予定。そういえば昨日から、仕事で担当することになった本のタイトルを決めるために、いつもはあまり行かないような人文書とかビジネス書のコーナーをのぞいてるんだけど、いやあ、本の世界ってほんとに奥深い。同じようなテーマを扱った本がごまんとあるわけだけど、その中でも、情報量の多いもの、少ないもの、高価な本、安価な本、いろいろあるわけで、一つ一つ丁寧に見ていくと、やっぱり出来のいい本と悪い本があって、売れてる本ってやっぱりそれなりに魅力があるんだよなー。昨日、吉祥寺の書店(うちの本を置いてくれそうな大きいところ)はひととおりみてまわったので、今日明日で新宿、渋谷を見てこようかな、と。古本屋めぐりも楽しいけど、わたしはどっちかというと、新刊書店をまわるほうが好き。