語学学習の効用
2冊読了。まずは2週間近くかばんの中に入っていた、この本。
- 作者: グレアムグリーン,Graham Greene,高橋和久
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2013/04/30
- メディア: 文庫
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で、最後まで読んでみて思ったのは、グリーンって翻訳が難しいのかな、ってことだ。表題作はわたしの大学時代の恩師の一人でもある、高名で魅力的な先生が訳している。この短編に限っていえば、翻訳は先日読んだものより格段に良かった、と思う。でも、この作品に限らず、ほかの作品も、翻訳の文章が気になってしまって作品に集中できない、というのが正直なところだった。とくに前のほうの数編は、文体に慣れるのに時間がかかる作品なのに次々に訳者が変わるので、ますます集中できなかった。でも、どの翻訳者も、原書の独特の言い回しや比喩をうまくいかして訳そうと苦心しているのがよくわかる。なので、決して翻訳が悪い、というわけではなく、おそらくわたしがグリーンと肌が合わないのだろう、というのが結論。この中で個人的に一番好きだったのは、「ショッキングな事故」という短編。長さもほどほどで、国語の教科書に載せたいくらい、と思ったが、「教育上の配慮」により、まあ、無理だろうなあ。
さて、今日のブログのタイトルは、もう一冊の読了本から得た教訓。今朝の朝日新聞書評にとりあげられていたこの本を、早速買って読んでみた。
- 作者: 津村記久子,深澤真紀
- 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
- 発売日: 2013/03/01
- メディア: 単行本
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この本は、今日、つつじヶ丘の書原で買ったのだけれど、一緒に買った本が、よしもとばなな『さきちゃんたちの夜』と、小山田浩子『工場』なので、現代女性作家祭り、なのだった。よしもとばななは同い年、小山田浩子は、嗚呼、おそろしいことに、20歳近く年下だ。よしもとばななはデビューの頃は全作品読んでいたのだけれど、最近はなんとなくご無沙汰していた。でも、先日テレビの取材で話しているのを聞いていたら、ああ、同世代だなあ、同じような感じ方、同じような苦しさを持っているんじゃないかなあ、と思い、誤解をおそれずに書くと、津村や小山田のような下の世代にくらべて、体温が高い感じ、他人に対して優しい感じがしたので、久しぶりに最新作を買ってみたのだ。小山田は文芸誌で「いこぼれのむし」を読み、この作家はおもしろい、と思っていたところへ、「工場」で新潮新人賞をとったと聞いて、買ってみた。イギリス文学祭り、が一段落したら、現代女性作家祭り、で、この二冊を続けて読んでみたいと思っている。
というわけで、イギリス文学祭りに戻り、明日の神奈川出張のおともは、『すばらしい新世界』に決まり。9時半に辻堂駅まで行かなくちゃいけないので、あー、もう寝なくちゃ。読み返さないで、更新しちゃおう。