連休と読了本

連休後半は、二日連続で日本橋へ。初日は母と日本橋高島屋で開かれていた展覧会「龍村平蔵『時』を織る」というのに出かけた。母の祖父(つまりわたしの曾祖父)が初代龍村平蔵氏と懇意だったとかで、母はどうしても関係者に挨拶をしたい、という。「ちょっと無理じゃないかなあ」と思ったけれど、母は張り切って写真まで持ってきているので、がっかりさせることになるとかわいそうだな、と思っていた。


会場に着くと、予想以上の大混雑&大規模な展覧会。当初は母のつきあい、くらいの気持ちで出かけていったのだけれど、展示をまわっているうちに、そんなことはすっかり忘れ、美しい織物の数々にただ見ほれるばかり。若い頃はあまり興味はなかったのだけれど、いま見ると独特の色使いや素材の質感に、やっぱり本物は違うんだなあ、と素朴な感想を持ってしまった。ブックデザインにもよさそう。


母も大満足だったので、このまま帰ってもよさそうだったのだけれど、せっかく来たのだし自分ももう年だからだめもとで、と、当初の計画どおり関係者をさがし、無事にご挨拶もできて、先方はご迷惑だったかもしれないけれど、年寄りの母の話を丁寧に聞いて応対してくださった。ありがたいことだ。


母が結婚当初から大切に持っていた龍村の帯は、「もう着物は着ないから」ということで、わたしの手元にある。この日もほんの一瞬、着物を着て龍村の帯をしめていこうか、と考えたけれど、それはちょっとハードルが高すぎるとすぐに思い直した。実際に会場には数人、着物姿の方がいらして、皆さんとてもすてきに着こなしていた。明らかに龍村のものとわかる帯をしめている方もちらほら。かなり注目されていた。うーむ、わたしの着付け技術では、あのような注目に耐えられるはずもない。でも、このままたんすのこやしになるのはあまりにもったいない、なんとか年に一度程度でも、着物で出かける機会をつくりたいものだ、とあらためて思った。


親孝行の翌日は、同居人が大好きな川下りツアーに参加するため再び日本橋へ。日本橋から隅田川神田川とたどるコースで、小ぶりの舟なので結構低い橋の下もすいすいと入っていって、町中を走っていく。神田、お茶の水を経て、ぎょええ、このまま行くと会社の前に着いちゃうよ〜と思ったけど、その少し手前でUターン。朝いちばんに行ったのだけれど舟は満員でよい席が確保できず、結局1時間半、ずっと立ちっぱなし。ちょっと疲れたけど、天気がよかったこともあり、川下りを満喫した。川から見る東京は、人の暮らす町、歴史のある町なんだな、という気がする。


陸にあがって近代的なビルの中にあるトンカツ屋さんでめちゃくちゃ美味なトンカツを食べて帰宅。どこへ行っても込んでいるゴールデンウィークの過ごし方としては、なかなかよかったのではあるまいか。


読了本のことを書こうと思ったんだけど、そろそろ夕飯の支度をしなくてはいけないようなので、ちょっと中断。とりあえずここまででアップしておこう。