2010年わたしのベスト5

最初、ベスト3にしようと思ったけれど、
海外文学の傑作が4作もあって、どれを落とすこともできないと思ったので、
それに日本文学をひとつ加えて、2010年のベスト5、としよう。
いつものように、順不同。

ある婦人の肖像 (上) (岩波文庫)

ある婦人の肖像 (上) (岩波文庫)

百年の孤独 (Obra de Garc´ia M´arquez)

百年の孤独 (Obra de Garc´ia M´arquez)

ダロウェイ夫人 (光文社古典新訳文庫)

ダロウェイ夫人 (光文社古典新訳文庫)

心変わり (岩波文庫)

心変わり (岩波文庫)

水死 (100周年書き下ろし)

水死 (100周年書き下ろし)

今年はあまりたくさん読んでいないような気がするけれど、
そのわりに読んだ本がみんなおもしろくて、
迫力とか完成度とかの面で、やっぱり海外文学の名作を選んでしまったけれど、
桐野夏生川上弘美桜庭一樹佐野洋子、糸山秋子など、女性作家たちの作品はどれも、
共感したり反発したりしながらかなりいれこんで読めた、幸福な読書体験だったことは間違いない。


花巻温泉からの帰りに、久我山エキナカ書店に寄る。
ブログ仲間が噂している、「考える人」の最新号を買うためだ。
表紙にチャトウィンの写真。
そうだね、紀行文学といえばチャトウィン
中をぱらぱらと読む。池澤夏樹さんと湯川豊さんが、チャトウィンの『どうして僕はこんなところに』のことを話している。嬉しい。
さらに、わたしがはじめて下訳をさせてもらった懐かしい作品、ランシング『エンデュアランス号漂流』も話題に。
共訳や下訳という形ではあっても、こういう優れた作品と出会えたことはほんとうに幸運だった。
しばし現在の仕事のことを忘れ、翻訳家時代に思いをはせる。


来年の年賀状には、次のように書きました。
「昨年からはじめたこと。
  早朝テニススクール。文芸誌の定期購読。近くを見るための眼鏡。
 今年やってみたいこと。
  10キロ減量。久しぶりの海外旅行。」
早朝テニススクールはもちろん続けるし、文芸誌の定期購読は「すばる」も加えて4誌に。老眼鏡も健在。
10キロ減量と海外旅行は、ちょっと難しいかもしれないけど、
でもまあ、あんまり仕事一色にならないように、遊び心や色気も適当に保ちつつ、
読書もブログものんびり続けていくつもり。
それでは皆様、よいお年を。