2007-06-01から1ヶ月間の記事一覧

文学を大衆から遠ざけたのはだれか

今日は「一オースティン読者の『高慢と偏見』」という講演タイトルにひかれて、 明治学院大学で開かれたとある会合に行ってきた。 このタイトルは、一オースティン「学者」ではなく、「読者」であるところが重要。 講演された高橋和久さんは、英文学者として…

ドストエフスキーは何歳向けか

昨日から、古典新訳文庫のドストエフスキー『地下室の手記』を読み始めた。非常におもしろい。 これを読んだらいよいよ大事にとってあった『カラマーゾフの兄弟』に突入し、 7月22日のシンポジウムまでに読了するべく、「ドストエフスキー漬け」の日々を…

重松清『カシオペアの丘で(上・下)』

カシオペアの丘で(上)作者: 重松清出版社/メーカー: 講談社発売日: 2007/05/31メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 22回この商品を含むブログ (99件) を見るカシオペアの丘で(下)作者: 重松清出版社/メーカー: 講談社発売日: 2007/05/31メディア: 単行本購…

阿部公彦編『しみじみ読むイギリス・アイルランド文学』

しみじみ読むイギリス・アイルランド文学 (現代文学短編作品集)作者: ベリル・ベインブリッジ,阿部公彦,岩田美喜,遠藤不比人,片山亜紀,田尻芳樹,田村斉敏出版社/メーカー: 松柏社発売日: 2007/06/20メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 3人 クリック: 25…

後藤明生『挟み撃ち』

ブログを書き始めて、今日でちょうど1年。ぱちぱちぱち。 最近ちょっと更新が滞りがちだけれども、飽きっぽい私としては、よく続いたほうだと思う。 2年目の今日からは、初心に帰ってもう一度、短くてもいいからできるだけ毎日書くようにしよう。 後藤明生…

加藤周一・中村眞一郎・福永武彦『1946・文学的考察』

1946・文学的考察 (講談社文芸文庫)作者: 加藤周一,中村真一郎,福永武彦出版社/メーカー: 講談社発売日: 2006/07/11メディア: 文庫 クリック: 17回この商品を含むブログ (13件) を見る読了。 古本屋で購入したのは冨山房百科文庫のもの(1977年刊)なの…

野崎歓さんのお話

青春時代の思い出の地、逗子を最後に、1週間の営業活動を終えた。 まだ来週の月曜日に千葉に行かなくてはならないが、とりあえず5日間連続のメインイベントを終え、ほっとしている。 六本木のABCで行われた野崎歓さんのミニトークショーから、だいぶ日が経…

宮田昇『新編戦後翻訳風雲録』

新編 戦後翻訳風雲録 (大人の本棚)作者: 宮田昇出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2007/06/02メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 29回この商品を含むブログ (18件) を見る読了。 この本の一部、たとえば田中融二さんの項などは、読むのが今回で三度目と…

土屋政雄さん講演会

毎年6月のこの時期には、だいたい二週間くらい、営業に出る。 今年は地方への出張はなく、毎日朝早く自宅を出て、指定された町へ行き、 その地域を担当する営業の女性といっしょに、1日、車であちこちの営業先に行き、 刊行物の説明をする。 営業の仕事に…

吉田司『宮澤賢治殺人事件』

[rakuten:book:11029282:detail] 読了。 この本は、不思議なルートで私の手元にやってきた。 もともとは大学で英語教育を教えていらしたエライ先生が、 大学を退官されるときに不要になった本をうちの同居人の職場に段ボールいっぱい送ってくださって、 ほと…

長瀞ライン下りなど

今日は早起きして電車を乗り継ぎ、長瀞へ。 ずっとやってみたかった「ライン下り」に乗船。 船に乗ると視線が下がって、川面がぐんと近づいてくる感じがとてもいい。 観光地化していると聞いていたけれど、それほどでもなくて、 「川好き」の同居人は大はし…

美食三昧

なぜか先週は「おいしいものを食べる」機会に恵まれた。 「好きな人とおいしいものを食べる」ひとときほど、幸福な時間はない。 そして、そんな時間をすごすたびに、4年前にこの世を去った妹のことを思い出し、 「ああ、妹にこれを食べさせたかったなあ。い…