ふつうの一日

今日は土曜日だけれど、フリーランスには「平日」「土日」の概念はないのだ。水曜日の午後から金曜日の朝まで横浜で浮かれていた私たちは、今日の土曜日は「ふつうの一日」として、ふつうに朝からはたらいた。これから先、今日のような過ごし方がおそらく典型的な一日になるのだろうなあ、と思う。

 

朝、同居人は早起き。日がのぼった頃合いを見計らってジョギングに行く。わたしはぐーすか寝ている。同居人がジョギングから戻り、シャワーを浴び、二人分のお弁当を作り終えたころに、わたしはごそごそ起き出して、コーヒーを淹れる。

 

朝ごはんを食べ終えた同居人が自転車で井の頭のアパートに出勤。わたしは少しだけ部屋を片付けて、シャワーを浴びて、支度をして、徒歩で井の頭のアパートへ。同居人に遅れること約1時間。すぐに仕事にかかる。今日の仕事は高校の国語教科書関連本。校正者の赤字を転記しつつ、何箇所かあらかじめ決めておいた項目をチェックしていく。時折、「ええーっ」とか、「なんだよーこれー」とか声が漏れる。隣の同居人も同じような感じで、時々、悪態をついたり、頭をかかえたりしている。途中、「つかれたー」と言って、ヨギボーに沈み込むことも。

 

あっという間に午前中が終わり、お弁当タイム。こたつに入ってぬくぬくしながらお弁当を食べる。あまり話はせずに、黙々と食べる。食べ終わったら首までこたつに入ってしばし休憩。30分ほど休んだら、午後の仕事再開。わりと単純な作業なのだけれど、教科書関連なので気を抜けない。そして締切が迫っている。がんばってガシガシ進む。

 

夕方4時。ジムに行く時間。急いで用意をして外に出た。恐ろしく寒いので、早足で歩き出す。ジムまでは井の頭公園を抜けて歩いて30分ほど。ここのところ行きは歩いて帰りは交通機関を使う、というのがルーティンになりつつある。30分のウォーキングはウォーミングアップにもなるのでちょうどいい。井の頭公園はずいぶん人がいて、あ、そうだ、今日は土曜日だった、と思い出した。

 

土曜日ということもあり、いつもはガラガラのジムが混んでいた。いつものNetflixを観られるトレッドミルが5台もあるのに全部使用中。ガイ・リッチーの「シャーロック・ホームズ」の続きを観るのを楽しみにしていたのに、残念。映画が観られないタイプのトレッドミルで歩き出した。けど、すぐに飽きてしまって、15分で終了。土日は午前中に来たほうがいいのかもしれない。

 

ジムから久我山の自宅に直接帰ることもあるのだけれど、今日は井の頭に寄って、1時間だけ仕事。夕飯を作るため、6時半ごろに帰宅。この1年くらい、「大地を守る会」の食材セットを注文しているので、夕食を作るのがとても楽&美味しくてバランスのとれた夕食がとれている。30分で作れる、というふれこみだけど、わたしは片付けからはじめてできあがるまで、いつも1時間近くかかってしまう。9時前には夕食を終えて、食後のコーヒーも飲み終わっている。会社員時代は、こんな時間に夕食なんて考えられなかった。10時には寝てしまう同居人に対して、わたしは宵っ張りなので、夕食後、寝るまでの数時間は完全な自由時間。仕事が切羽詰まっているときは、この時間も仕事に使うけど、たいていはのんびり本を読んだりブログを書いたりスマホをいじったりして過ごす。

 

さて、そろそろ眠くなってきた。今日の運動は、ウォーキング30分、筋トレ30分、トレッドミル15分。相変わらず体重は減らない。(横浜で食いだおれ旅を満喫してしまったから当然だ。)明日も仕事だー!

 

4日お休みしてしまった

毎日書くと決めたのに、4日もお休みしてしまった。12日13日と家を空けていた。横浜で行われた某アーティストのライブに行っていたのだ。本当は一泊のはずが、2日め終わった時点であまりにへとへとだったので、思い切ってもう一泊、安い部屋を探して泊まった。

 

年甲斐もなく弾けまくったため、足腰は痛いし腕は上がらないし、ブログを書くどころではなかった。そしてこのライブツアーが仕事の計画を圧迫したため、11日と今日は同居人ともども物凄い集中してお仕事をした。明日も明後日ももちろん仕事だ。でもそんなことはなんでもないと思えるくらい素晴らしいライブだった。

 

JSHC(日本シャーロック・ホームズ・クラブ)と、PTA(perfumeファンクラブ)と、50代に入ってから初めてファンクラブというものに入った。今のところものすごいお得感があり、当分やめるつもりはない。JSHCの方は退職を機にもっと本格的に活動してみたいと思い、無謀にも発表することになってしまったのは、先日ここで書いたとおり。

 

さらにもう一つ、この度退職を機に新しく友の会に入った。ALL REVIEWS友の会。入会したものの何をしたらよいかいまいち分からずウロウロしてたんだけど、ちょっとこのたびやってみたい活動があって、思い切って申し込んでみた。

 

退職して定収入と引き換えに膨大な自由時間を手に入れたのだから、面白そうだと思ったらひるまずチャレンジしてみようと思っている。あまり多くのお金がかかることは無理だけど、たいていのことは失敗したらやり直せばいいのだ。

 

ブログとあわせて、ジム通いも3日休んでしまった。明日はちゃんと行かなくちゃ。三日坊主は免れたけど、半月足らずで挫折なんて情けなさすぎるからね。というわけで、明日は運動と仕事、両立させましょー。

 

発表をすることになってしまった

自宅のMacBookが突然ご機嫌斜めになったため、今日はiPhoneでチマチマと入力をしている。

午後からホームズクラブの月例会があったので、OB会の仕事を午前中のうちに終わらせたかったのだけれど、昔の同僚のあっぱれなブログ記事を発見してしまい、すっかり嬉しくなってバックナンバーなど見返しているうちに午前中が終わってしまった。

月例会はいつものように面白くて、あっという間に時間が経ってしまう。ただ今日はいつものようにお気楽に楽しめない理由が一つあった。なんと私は恐れ多くも3月の東京セミナーで発表する約束をしてしまったのだ。

『ホームズの世界』の優れた研究の数々と、それをめぐる皆さんの喧々囂々を拝聴しながら、私はとんでもない約束をしてしまったのではないかという思いにとらわれ、震えていた。いつかは発表したいと思っていたのは間違いないのだけれど、やはり、無謀だ。無理だ。逃げたい。だがしかし。

もう逃げられないところまできてしまった。やるしかない。幸か不幸か、フリーになったのだから時間はある。とにかく発表に向けて動き出さなければ。自信は全くないけれど、とにかくやるしかないのだ。わーん。

いくらでも話すことがある

今日は午後から友人と会って延々としゃべり、夜ご飯を別の友人ととってこれまた延々としゃべり、ついさっき帰ってきた。ゆえに、ほとんど仕事をしていない。フリーになってよいことの一つに、「苦手な人とはつきあわなくていい」というのがある。ただその一方で、これまで毎日のようにいっしょに仕事をしてきた仲間と会えなくなる、というデメリットは大きい。今日あった友人は二人とも、ある時期、「同志」のうように苦楽をともにした仲間で、むこうはどうだか知らないが、わたしは大好きな二人だ。二人とも個性的で、ちょっと気難しいところもあるが、他の人とはいつも一味違った話をしてくれるので、刺激的で楽しい。

 

以前の仕事のこと、現在の仕事のこと、これからやろうとしていること、プライベートのあれこれ、など、いくらでも話すことがある。こういう友人がいるというのは財産だよなあ。そしてそれは、私が努力して得たというよりは、偶然というか、たまたま同じ空間に居合わせて、気が合って、関係が続いている、ということなので、そう考えると、人生ってただそれだけで尊いなあ、と思うのだ。

 

今日買った本は、ウリツカヤ/前田和泉訳『緑の天幕』(新潮社)。新代田の「エトセトラブックス」で購入。ものすごく分厚い本で、いつ読めるかわからないけど、翻訳はさぞ大変だっただろうと思い、翻訳者に敬意をこめて購入した。あと、訳者あとがきに書いてあった、編集者の執念、みたいな話にもちょっとほろっときてしまったので。訳者がいて、編集者がいて、本屋さんがいて、そのおかげで、私の手元にこの本は届いたのだなあ。

 

いっしょにエトセトラブックスに行った友人に、竹村和子『愛について』を激推しした。同居人によれば、「かなり難しいだろうけど(これは言外にお前には無理だと言っている)、名著」とのことで、私自身は数日前に購入済み(未読)。同居人の褒め言葉をそのまま友人に伝えた。彼女は、少なくとも私よりはこういった本を読み慣れている読書家なので、きっと読みこなせるだろう。「解説がTwitterで話題になっていた本ですよね」と、もちろん情報は入っていたようだ。結局、彼女はこの本を購入していたようだ。わたしもがんばって読まなくては。

 

今日の運動は、ジム筋トレ30分、トレッドミル30分。少しはカロリー消費するも、夕飯のフレンチフルコースで、大カロリーオーバーだ。まあ、まずは運動を習慣化することが最優先。こつこつと地道に(←これ、わがしが苦手なやつ)続けよう。

 

いったん下書きにした

今日、編集プロダクション時代からの友人と電話で話したことがきっかけで、自分にとってトラウマになっているいくつかのできごとについて、ぐだぐだとブログに書いたのだけれど、やはり内容的にナイーブなのと、なんだか情けない気持ちになってきたので、公開するのはやめて、いったん下書きにした。消しちゃってもいいんだけど、毎日書く、って決めたので、自分への言い訳としてとっておく。今日の運動は、ジムストレッチ30分、ジム筋トレ40分。毎日少しでもいいから運動し、少しでもいいから文章を書く。がんばって続けよう。

東京は雪

新しい生活のルーティン、お弁当と運動着を持って仕事場へ。二人ともいわゆる作業仕事だったので、黙々と仕事をする。以前の職場の後輩に質問をしていたのだけれど、例によって明快かつ的確かつ丁寧な返事がくる。はいはい、わかりました、仰せのとおりに、という感じでさくさくと作業が進む。と、同居人が、「雪降り出したんじゃない?」と突然言った。え、雪? と窓を開けると、ほんとうに、雪が降っている。「あまり積もらないらしいけど、寒いよね」と同居人が言う。仕事場のアパートは、ほんとうに寒い。備え付けのエアコンは時折ぐおおおお、と音がするわりにパワー不足。このままでは風邪をひいてしまう、久我山の自宅で仕事したほうがいいかもね、などと話しながら、意外にこの不自由で貧乏くさい感じが気に入っている。

 

お昼はコタツで食べるので、同居人が少し早めにコタツの電源を入れてくれた。わたしはいそいそとマグカップでインスタント味噌汁を用意する。「寒い、寒い」と言いながら、コタツに入って味噌汁のお湯が沸くのを待つ。窓の外は雪。このままだと結構積もるかも、吉祥寺まで行くのは無理かもね、などと話しながら、お弁当を食べた。お行儀悪いけど、と言いながら、寒いので首までこたつに入って暖まっているうちに、当然ながら眠くなってきて、同居人はいびきをかいて眠ってしまった。

 

20代の終わりか30歳くらいの頃の雪の日のことをぼんやりと思い出した。朝起きたら雪が降っていて、なんだかもう、このまま死んじゃってもいいかな、と思った。それは、世をはかなんで、とか、誰かをうらんで、とかではもちろんないし、いわゆる幸せの絶頂で、このまま死んでしまいたい、というのとも違う。単純に、こんなきれいな雪の日に、ふわっとそのままこの世から消えてしまえたらいいかな、って気分になったということ。

 

雪の日のひとこまを描いたよしもとばななの「バブーシュカ」という短編小説がとても好きで、教科書の編集会議でもめちゃくちゃ推したんだけど、結局、載せてもらえなかった。気づいたら他社に先を越されてしまい、がっかりした記憶がある。編集委員の先生方(当時は全員男性だった)はいまひとつぴんとこなかったようだけれど、わたしはこの主人公の気持ちがすみずみまでわかる、と思った。ああ、もう一度読んでみたいな。本棚のどこかにあるかな。

 

元同僚たちから「雪で電車が遅れてる」「タクシーの行列が不安」という嘆きの声が届く。そうだった。会社勤めの人たちは、こんな時間から雪にふられたらたまらない。センチメンタルな気分になってる場合じゃないのだ。仕事場からそれなりに苦労して帰宅。傘がなかったので結果的にびしょ濡れ、大急ぎで熱いシャワーを浴びて着替えた。ニュースでは東京の大雪とともにコロナ感染者数の倍増を伝えている。

 

これから1時間ほど、OB会の仕事をしてから寝よう。

今日の運動はスクワットとレンジ、14回を2セットのみ。雪でウォーキングはお休み。

 

昭和な喫茶店のホットケーキ

今日は税務署に「開業届」を出しに行った。ネットで必要事項を入力するだけで簡単に申請用紙の準備ができる。プリントアウトしてマイナンバーを記入し押印すればOK。なんて簡単なんだーと感動しつつ、ちょっと不便なところにある管轄の税務署へ。都会のど真ん中なのに昭和な風情のある商店街を抜け、住宅地をトコトコと歩いた先に税務署はあった。予想に反してガラガラで、そのへんにいた人に「開業届を出しにきたんですが」と言ったら、「あ、じゃ、そこの窓口に出して」と言われて、あっという間に受領。なんて簡単なんだー。まあ、考えてみれば開業の届を出しただけで、実際に確定申告だのなんだのという面倒な作業はこれからだからね、よくわからないけどちゃんと領収書をとっとくとか、カードの支出の内訳を控えておくとか、いろいろ、気をつけないと。約20年ぶりのフリーだから、いろいろ忘れてる。

 

もう3時だというのにお昼を食べていなかったので、駅近くの古いビルの2階のある喫茶店に入った。みるからに、古い。カウンターの中には疲れた感じの中年の女性がいて、そこそこ広い店内には常連らしきおじいさんと年齢不詳な感じの女の人がいるだけ。常連のおじいさんはちょっとぼけているらしく、大きな声で何度も同じ話を繰り返している。ママさんはへーそうなの、それで、まあ、大変ね、と、適当に受け流している。

 

ホットケーキとコーヒーを注文した。美味しそうな匂いがしてきたので、そろそろくるかな、と思ったけど、なかなかこない。ずいぶん待ったところへ、おばさんがやってきて、「ごめんね、おばさんホットケーキ焦がしちゃって、失敗しちゃったからやり直ししてるの、もうちょっと待ってね。しかも、2枚重ねじゃなくて、1枚の大きいのにしたから。味はおんなじだからね」という。急いでいるわけではないので、「あ、だいじょうぶです、まってます」と返事をして、さらに数分、辛抱強く待って、やっとでてきたホットケーキは、たしかに2枚重ねじゃなくて1枚の大きなお好み焼きみたいなものだった。たっぷりバターをぬって、シロップをかけていただいた。子供の頃、家で焼いたホットケーキミックスを使ったホットケーキの味。たしかに、見た目はともかく、味は悪くない。コーヒーは相当美味しい。西日のあたる商店街をながめながら、この30年ほどは、ずいぶん一生懸命仕事をしてきたなあ、これから先は、どんなふうに仕事をしていくことになるのかなあ、と感慨にふけったりした。

 

吉祥寺に戻り、ヨドバシでairpodsを買い、ジムに行く。昨年末から通い始めたこのジムは、24時間営業の年中無休、月会費が安いのが売り。サウナやお風呂はないし、レンタルタオルすらないので、毎日通っていると洗濯物がどんどん増えてたいへん。でも、「部活と同じ、毎日やるもの、休むのは体調が悪いときだけ」というマイルールが案外わかりやすく、自分には合っているようだ。NetFlixでエノラ・ホームズを最後まで観た。原作がYAと聞いてなるほどと思う。10代の女の子たちを励ますような冒険物語で、本家ホームズとはずいぶん異なる価値観でつくられている。

 

フェミニズムとの付き合い方については完全に自信喪失しているので、ちょっと書きにくいんだけど、ここはツイッターじゃなく個人ブログだし、そんなに大勢の人が読んでるとも思えないので笑、少し書いてみる。熱血運動少女だったので、はじめてフェミニズムらしきものに触れたと実感したのは、大学4年のとき。「オゾン・イングリッシュ・セイ」という、表参道にある謎の英会話学校に通っていたのだけれど、そこにリン先生というショートカットの素敵な先生がいた。たしか、印象的な自己紹介をする、というような内容のレッスンで、I'm〜.という形で自分を表現しましょう、ということになった。そのとき、リン先生は、じゃあ、私が最初に、と言って、I'm independent.と言ったのだ。今なら誰も驚かないだろうけど、1980年代の日本の英会話学校で、若く小柄な中国系アメリカ人女性がこう言ったとき、その場にいたほとんどの人が、キョトン、としていたのをよく覚えている。でもわたしは、かっこいいなあ、と思った。ただ、自分もそう言えるようになりたい、と思うまでには、まだあと何年もかかったし、いろんなことを経験する必要があったけど。

 

うーん、こんなことをダラダラ書いているのは、間違いなく今読んでいる本の影響だ。評論家というのはほんとうにすごいなあ、と思いながら読み進めている。わたしの中にぼんやりあったもやもやした思いというか、思念、妄想、感情のかたまり、などと同種のものを分析して、あの手この手で言語化してくる。わたしは評論には昔から苦手意識があるのだけれど、すぐれた評論は、「そうそう、それが言いたかったの」と思わず言いたくなるような書きぶりで、論じられている対象の作品やジャンルについてあまり詳しくなくても、面白く読めてしまうものなんだなーと改めて思う。

 

さて、では今日はもう寝ます。読書中の本、小谷真理『性差事変』、視聴した映画、『えノーラ・ホームズの事件簿』。運動は、外ウォーキング20分、ジム筋トレ30分、トレッドミル40分。